海外行事【1月~4月】

【セントパトリックスデーとは?】St.Patrick’s Dayの歴史・由来・意味・なぜ緑?日本での楽しみ方まで完全解説

3月17日のセント・パトリックス・デー(St. Patrick’s Day)。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、アメリカやアイルランドでは国中が緑色に染まる一大イベントです。街ゆく人は緑の服を着て、緑のビールを飲み、川まで緑色に染められる――そんな光景が毎年くり広げられています。

「なぜ緑なの?」「そもそも誰を祝っているの?」「四つ葉のクローバーとの関係は?」と疑問に思う方も多いはず。この記事では、St. Patrick’s Dayの由来と歴史から、世界各国の祝い方、シンボルの意味、さらには英語フレーズやおもしろトリビアまで、まるごと解説します。読み終わる頃には「こんなにおもしろいお祭りだったのか!」と驚くはずです。

📖 この記事で分かること

  • St. Patrick’s Dayの名前の由来と歴史(5世紀〜現代まで)
  • シャムロック・緑色・レプラコーンなどシンボルの意味
  • アイルランド・アメリカ・日本など世界各国の祝い方
  • 川を緑に染める?緑を着ないとつねられる?驚きの風習
  • St. Patrick’s Dayに使える英語フレーズ&おもしろトリビア

☘️ St. Patrick’s Dayの由来と歴史

St. Patrick’s Dayはなぜ3月17日なのか?なぜ「緑の日」になったのか?その歴史をたどると、5世紀のアイルランドまでさかのぼります。

⛪ 聖パトリックってどんな人?(5世紀)

St. Patrick’s Dayの「パトリック」とは、アイルランドにキリスト教を広めた聖人「聖パトリック(Saint Patrick)」のこと。実はパトリックはアイルランド人ではなく、ローマ支配下のブリテン島(現在のイギリス)で生まれたと考えられています。16歳の頃にアイルランドの海賊にさらわれ、6年間奴隷として羊の世話をさせられました。

その後、脱出して故郷に戻りますが、「アイルランドの人々にキリスト教を伝えよ」という神のお告げを受け、再びアイルランドへ。彼は30年以上にわたって布教活動を行い、アイルランド各地に教会や学校を建て、多くの人々をキリスト教に改宗させました。3月17日は彼の命日とされ、この日が「St. Patrick’s Day」になりました。

💡 つまり

St. Patrick’s Dayは「アイルランドにキリスト教を広めた聖人パトリックの命日」を記念した日。もともとはカトリックの祝祭日で、アイルランドでは1000年以上にわたって宗教的な祝日として過ごされてきました。

☘️ シャムロックと三位一体の伝説

St. Patrick’s Dayのシンボルといえばシャムロック(shamrock)。三つ葉のクローバーのような植物です。伝説によると、聖パトリックはキリスト教の「三位一体(父と子と聖霊)」の教えを、アイルランドの人々に分かりやすく説明するためにシャムロックの3枚の葉を使ったと言われています。「1本の茎から3枚の葉が出ているように、神は3つでありながら1つなのだ」と説いたのです。

この伝説から、シャムロックはアイルランドの国章的なシンボルとなり、St. Patrick’s Dayには胸にシャムロックを付けるのが伝統になりました。ちなみに四つ葉のクローバーとは別物です!シャムロックは三つ葉で、四つ葉のクローバーは「幸運のお守り」として別の文脈で使われます。

💚 なぜ「緑」がテーマカラーなの?

「St. Patrick’s Day=緑」というイメージは今では当たり前ですが、実はもともと聖パトリックのシンボルカラーは「青」でした!「聖パトリックの青(St. Patrick’s Blue)」と呼ばれる淡い青色が、かつての公式カラーだったのです。

緑色が定着したのは18世紀頃。アイルランド独立運動の中でシャムロックの緑がナショナルカラーとして使われ始め、アイルランドの美しい自然を「エメラルドの島(Emerald Isle)」と呼ぶイメージとも結びついて、緑色がSt. Patrick’s Dayの象徴になりました。

🧝 レプラコーンって何者?

St. Patrick’s Dayのもう一つの人気キャラクターがレプラコーン(Leprechaun)。アイルランドの伝説に登場する小さな妖精で、緑の服と帽子を身につけ、虹の根元に金貨の入った壺を隠しているとされています。いたずら好きで、捕まえると「願い事を3つ叶えてくれる」と言われていますが、すぐにトリックで逃げてしまうのだとか。

レプラコーン自体はSt. Patrick’s Dayと直接の関係はありませんが、「アイルランドといえば」のイメージキャラクターとして、特にアメリカで祝祭日の象徴に取り込まれました。パレードの仮装やデコレーション、お菓子のモチーフなど、あちこちでレプラコーンを見かけます。

🇺🇸 宗教行事から世界的なお祭りへ(17世紀〜)

St. Patrick’s Dayが宗教行事から華やかなお祭りに変わった背景には、アメリカへのアイルランド移民の存在があります。17〜19世紀にかけて、飢饉や貧困から逃れた大量のアイルランド人がアメリカに渡りました。彼らは新天地でも故郷の文化を大切にし、1762年にはニューヨークで世界初のSt. Patrick’s Dayパレードが行われました(アイルランド本国より早い!)。

移民たちにとって、St. Patrick’s Dayは「自分たちのアイデンティティを誇示する日」。やがてアイルランド系以外のアメリカ人も参加するようになり、「みんなで緑を着てアイルランド文化を楽しむ日」として定着。今では「アイルランド系であろうとなかろうと、3月17日はみんなアイリッシュ!」が合言葉になっています。

🤔 知ってた?

アイルランドの人口は約500万人ですが、アメリカには約3,200万人がアイルランド系の祖先を持つと自認しています。つまりアメリカにはアイルランド本国の6倍以上の「アイリッシュ」がいるのです!

🟢 St. Patrick’s Dayのシンボル一覧

St. Patrick’s Dayにはたくさんのシンボルが登場します。それぞれの意味を知ると、お祭りがもっと楽しくなります!

📊 St. Patrick’s Day シンボル早見表

シンボル 英語名 意味・由来
☘️ シャムロック Shamrock 聖パトリックが三位一体を説明するのに使った三つ葉の植物
💚 緑色 Green アイルランドの自然・シャムロック・独立運動を象徴する色
🧝 レプラコーン Leprechaun アイルランド伝説のいたずら好きな小さい妖精
🌈 虹と金の壺 Pot of Gold レプラコーンが虹の根元に隠している宝物
🍀 四つ葉のクローバー Four-leaf Clover 幸運の象徴(シャムロックとは別物だが混同されがち)
🐍 ヘビ Snakes 聖パトリックがアイルランドからヘビを追い出したという伝説
🎵 ケルト音楽 Celtic Music アイルランドの伝統音楽。パブやパレードに欠かせない

💡 ヘビの伝説について

「聖パトリックがアイルランドから全てのヘビを海に追い出した」という有名な伝説がありますが、実はアイルランドには氷河期以降ヘビが生息していません。この伝説は「ヘビ=異教のシンボル」を追い出した、つまりキリスト教化を象徴的に表現したものと考えられています。

🌎 世界各国のSt. Patrick’s Day

St. Patrick’s Dayはアイルランドだけの祝日ではありません。アイルランド移民が世界中に散らばった歴史もあり、世界各地で盛大に祝われています。それぞれの国のユニークな祝い方を見てみましょう!

🇮🇪 アイルランド — 本場の祝い方

アイルランドでは3月17日は国の祝日(パブリック・ホリデー)。ダブリンでは4〜5日間にわたる「St. Patrick’s Festival」が開催され、盛大なパレード、ケルト音楽のライブ、アイリッシュダンスのパフォーマンス、花火などで街が賑わいます。

伝統的には朝にミサに参加し、家族で食事を楽しむ静かな祝日でしたが、1990年代以降は観光促進もあり華やかなフェスティバルに発展しました。家庭ではコーンビーフ&キャベツやアイリッシュシチュー、ソーダブレッドなどの伝統料理を食べ、パブでギネスビールを飲んで乾杯するのが定番です。

🇺🇸 アメリカ — 世界最大級のお祭り騒ぎ!

アメリカのSt. Patrick’s Dayはとにかくスケールが桁違い!ニューヨークのパレードは1762年から続く歴史があり、毎年約200万人が5番街を練り歩くのを観覧します。バグパイプの音色とともにマーチングバンド、アイリッシュダンサー、消防車などが行進する壮大なパレードです。

もっとインパクトがあるのがシカゴ。なんと毎年、シカゴ川を鮮やかな緑色に染めるのです!1962年から続くこの伝統は、環境に優しい植物由来の染料を使って川全体をエメラルドグリーンにするもので、シカゴのSt. Patrick’s Dayの名物となっています。

アメリカでは「緑を着ていないとつねられる(pinch)」という遊びの風習があります。「レプラコーンは緑を着ていない人をつねる」という言い伝えから、緑色を身につけていない人はつねってもOK、というジョーク文化です。

🇬🇧 イギリス — 複雑な歴史を超えて

アイルランドとイギリスの歴史的関係は複雑ですが、イギリスにも多くのアイルランド系住民がおり、特にロンドン、バーミンガム、リバプールなどでは盛大にSt. Patrick’s Dayが祝われます。ロンドンのパレードはトラファルガー広場を中心に行われ、ヨーロッパ最大級のSt. Patrick’s Dayイベントの一つです。

🇦🇺 オーストラリア — 南半球でも緑一色

オーストラリアにもアイルランド系移民の歴史があり、シドニーやメルボルンなどの大都市ではパレードやフェスティバルが開催されます。3月のオーストラリアは秋の始まりですが、パブではギネスビールが飛ぶように売れ、緑色のコスチュームを着た人々が街を歩き回ります。シドニーのオペラハウスがグリーンにライトアップされることも!

🌍 世界中がグリーンに染まる「グローバル・グリーンニング」

アイルランド政府観光局が推進する「Global Greening(グローバル・グリーンニング)」というプロジェクトでは、世界中のランドマークをSt. Patrick’s Dayに合わせて緑色にライトアップします。

🏛️ 緑色にライトアップされる世界のランドマーク

ランドマーク
🇺🇸 アメリカ エンパイア・ステート・ビルディング、ナイアガラの滝
🇬🇧 イギリス ロンドン・アイ
🇫🇷 フランス エッフェル塔
🇮🇹 イタリア コロッセオ、ピサの斜塔
🇪🇬 エジプト ギザのピラミッド&スフィンクス
🇧🇷 ブラジル コルコバードのキリスト像
🇯🇵 日本 東京タワー
🇨🇳 中国 万里の長城

ピラミッドや万里の長城までグリーンになるなんて、St. Patrick’s Dayの影響力のすごさが分かりますね!

🇯🇵 日本 — じわじわ広がるグリーンの波

日本でもSt. Patrick’s Dayは少しずつ知名度を上げています。東京・表参道では「セント・パトリックス・デー・パレード東京」が1992年から毎年開催されており、アジア最大級のSt. Patrick’s Dayイベントとなっています。緑の衣装を着た参加者がアイリッシュミュージックとともに行進し、アイリッシュパブではギネスビールの特別イベントが催されます。

横浜や大阪、名古屋、福岡などでもパレードやイベントが行われており、日本での認知度は年々上がっています。

🤔 知ってた?

St. Patrick’s Dayは世界で最も広く祝われる祝祭日の一つ。クリスマスや新年を除けば、これほど多くの国で祝われる「国の守護聖人の日」は他にありません!

🍻 St. Patrick’s Dayの定番の過ごし方

St. Patrick’s Dayは具体的にどうやって過ごすのでしょうか?世界共通の定番から、ちょっと変わった風習まで紹介します。

📊 St. Patrick’s Dayの定番アクション

アクション 内容
💚 緑を身につける 服・帽子・アクセサリーなど何でもOK。緑色ならセーフ!
🍺 ギネスビールで乾杯 アイルランド産の黒ビール「ギネス」を飲むのが鉄板。緑のビールも人気
🎵 アイリッシュパブへ行く ケルト音楽の生演奏を聴きながら、友人とワイワイ過ごす
🥘 伝統料理を食べる コーンビーフ&キャベツ、シェパーズパイ、アイリッシュシチューなど
🎊 パレードを観る・参加する 世界中の主要都市でパレードが開催される
☘️ シャムロックを身につける 胸にシャムロックのブローチやバッジをつけるのが伝統的

🗣️ St. Patrick’s Dayに使える英語フレーズ

St. Patrick’s Dayには定番の英語フレーズがあります。外国人の友達に使ったり、SNSに投稿したりすると盛り上がること間違いなし!

💬 定番フレーズ集

英語 意味 解説
Happy St. Patrick’s Day! セント・パトリックス・デーおめでとう! 一番基本のあいさつ。誰にでも使えます
Top of the morning to you! おはよう!(アイリッシュ風) アイルランド風の朝の挨拶。ステレオタイプ的ですが楽しい場面で使われます
Erin go Bragh! アイルランドよ永遠に! アイルランド語で「Ireland forever」の意味。パレードの定番スローガン
May the luck of the Irish be with you! アイリッシュの幸運があなたと共にありますように! 「Luck of the Irish」はアイルランド人の幸運を指す定番表現
Everyone’s Irish on St. Patrick’s Day! セント・パトリックス・デーにはみんなアイリッシュだ! 国籍関係なくみんなで楽しもう!という意味
Sláinte!(スロンチャ) 乾杯! アイルランド語で「健康」を意味する乾杯の掛け声。ギネスを飲むときにぜひ!

🎉 おもしろトリビア集

最後に、St. Patrick’s Dayに関する驚きのトリビアを紹介します。知っていたらちょっと自慢できるかも?

🍺 ギネスの消費量がとんでもない

St. Patrick’s Dayに世界中で消費されるギネスビールは約1,300万パイント(約730万リットル)!普段の日の消費量の約2〜3倍に跳ね上がります。ギネスの売上にとって3月17日は年間最大の稼ぎ時です。

🟢 緑のビール?!

アメリカではSt. Patrick’s Dayにビールを緑色に染めて飲むのが大人気。食品用の緑色の着色料を普通のビールに加えるだけの簡単なものですが、見た目のインパクトは抜群。バーやレストランではグリーンビールが限定メニューとして登場します。

🐊 聖パトリックの本名は「パトリック」じゃない?

聖パトリックの生まれた時の名前は「マエウィン・スカット(Maewyn Succat)」だったと言われています。後に聖職者になった際に「パトリキウス(Patricius)」というローマ名を名乗り、これが英語の「Patrick」になりました。

🚫 アイルランドではパブが閉まっていた?

意外なことに、1961年まではアイルランドの法律でSt. Patrick’s Dayにパブの営業が禁止されていました!宗教的な祝日だったため、飲酒は慎むべきとされていたのです。現在のような「パブで盛大に飲む」スタイルは比較的最近のものだったのですね。

🏙️ アメリカの街がアイルランド式に

テキサス州サンアントニオでは、シカゴと同様にリバーウォークの川を緑に染めるイベントが行われます。また、ジョージア州サバンナの噴水も毎年緑色になります。アメリカ人の「染めたがり精神」にはほんとうに驚かされます!

📬 宇宙でもSt. Patrick’s Day

国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士たちも、宇宙でSt. Patrick’s Dayを祝ったことがあります。アイルランド系の宇宙飛行士が宇宙から緑色の衣装を着た写真を投稿し、話題になりました。St. Patrick’s Dayは地球の枠を超えた祝日です!

🤔 知ってた?

St. Patrick’s Day当日のアメリカでは、自分がアイルランド系だと主張する人の数が普段の何倍にも膨れ上がるそうです。「1/16だけアイリッシュの血が入ってる!」など、わずかなルーツでも誇らしげに語るのがアメリカ流。

✅ まとめ

St. Patrick’s Dayは、5世紀のアイルランドに根ざした歴史ある祝日でありながら、今では世界中で「緑を着て楽しむお祭り」として愛されています。最後にポイントを振り返ってみましょう。

📝 この記事のまとめ

  • St. Patrick’s Dayは3月17日。アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの命日に由来
  • シンボルカラーの緑は、もとは「青」だった。シャムロック+アイルランド独立運動で緑に変化
  • シャムロックはキリスト教の三位一体を説明するために使われた三つ葉の植物
  • レプラコーンはアイルランドの妖精。虹の根元に金貨の壺を隠している伝説
  • アメリカではシカゴ川を緑に染め、「緑を着ないとつねられる」文化がある
  • 世界中のランドマークが緑にライトアップされる(東京タワーも!)
  • 日本でも表参道パレードなど、認知度は年々上昇中
  • 乾杯の掛け声は「Sláinte!(スロンチャ)」。ギネスを片手にぜひ!

3月17日が近づいたら、ぜひ緑色のアイテムを身につけて、アイリッシュパブでギネスビールを片手に「Happy St. Patrick’s Day!」と叫んでみてください。国籍も宗教も関係なく、誰でも楽しめるのがこのお祭りの最大の魅力です。☘️🍻