2月11日は、日本の国民の祝日「建国記念の日(けんこくきねんのひ)」です。「日本の誕生日」とも言われるこの日ですが、いざ外国人の友人に「何の日なの?」「なぜ2月11日なの?」と聞かれると、その複雑な歴史的背景から説明に詰まってしまう方も多いのではないでしょうか。
アメリカの「独立記念日(7月4日)」やフランスの「革命記念日(7月14日)」のように、明確な歴史的出来事に基づく建国記念日とは異なり、日本の建国記念の日は神話と伝承に基づいています。この点が、外国人に説明する際に最も重要なポイントとなります。
この記事では、建国記念の日の由来である日本神話や、戦前の「紀元節」との関係、神武天皇の東征神話、そしてそれらを外国人に分かりやすく英語で説明するための実践的なフレーズまで、超絶詳しく解説します。2026年の建国記念の日は2月11日(水曜日)です!
✅ この記事で分かること
- 建国記念の日の正確な意味と、なぜ2月11日なのか
- 神話上の初代天皇「神武天皇」の詳しい物語(東征神話)
- 戦前の「紀元節」との違いと、戦後に復活した歴史的背景
- 各国の建国記念日との比較(アメリカ・フランス・中国など)
- 外国人に説明できる実践的な英語例文10選+α
建国記念の日とは? 「建国をしのび、国を愛する心を養う」日
建国記念の日は、「国民の祝日に関する法律」(祝日法)において、「建国をしのび、国を愛する心を養う」日と定められた国民の祝日です。この日付は、日本の神話に登場する初代天皇「神武天皇(じんむてんのう)」が即位したとされる日に由来しています。
ただし、これはあくまで神話・伝承に基づくもので、歴史的・考古学的に証明された建国日ではありません。神武天皇の実在性自体も、学術的には確認されていないのです。そのため、英語では「建国記念日(Anniversary of the Founding)」ではなく、「建国を記念する日(National Foundation Day)」と表現されます。
💡 豆知識:なぜ「建国記念日」ではなく「建国記念の日」?
名前に「の」が入っているのは、史実としての建国日が明確でないため、「建国されたという事柄そのものを記念する日」というニュアンスを持たせるためです。1966年に祝日として制定される際、国会で激しい議論が交わされ、最終的にこのような名称に落ち着きました。つまり「○月○日に日本が建国された」ことを祝うのではなく、「日本という国ができたこと自体」を祝うという微妙な違いがあるのです。
なぜ「2月11日」? 神武天皇と紀元節の歴史
2月11日という日付は、日本最古の正史『日本書紀』(720年完成)の記述に基づいています。そこには、初代・神武天皇が橿原宮(かしはらのみや、現在の奈良県橿原市)で即位した日が「辛酉(かのととり)の年の正月朔日(ついたち)」と記されています。
明治時代になり、政府は近代国家としての体裁を整えるため、この神話上の日付を現在の太陽暦(グレゴリオ暦)に換算しました。その結果「紀元前660年2月11日」にあたることが判明し、1873年(明治6年)にこの日を「紀元節(きげんせつ)」として国の祝日に定めたのです。
📜 紀元節の廃止と復活の経緯
紀元節は、戦前の日本において非常に重要な祝日でした。学校では式典が行われ、「紀元節の歌」が歌われるなど、国民的行事として定着していました。しかし、第二次世界大戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は、紀元節が「国家神道」や「軍国主義」と結びついているとして、1948年(昭和23年)に廃止を命じました。
しかし、その後も国民からは復活を望む声が根強く、1950年代から何度も国会で法案が提出されました。賛成派は「建国を祝うのは国民として当然」と主張し、反対派は「神話を史実のように扱うのは問題」「戦前回帰につながる」と反対。激しい論争の末、1966年(昭和41年)に「建国記念の日」として法制化され、翌1967年から国民の祝日となりました。
📜 建国記念の日の歴史年表
- 紀元前660年(神話上):神武天皇が橿原宮で即位。日本建国とされる。
- 720年:『日本書紀』完成。神武天皇の即位が記される。
- 1873年(明治6年):神武天皇の即位日を「紀元節」とし、国の祝日に制定。
- 1940年(昭和15年):紀元2600年を盛大に祝う。全国で記念式典開催。
- 1948年(昭和23年):GHQの意向により、紀元節が廃止される。
- 1951年~1965年:復活法案が9回提出されるも、すべて廃案。
- 1966年(昭和41年):「建国記念の日」として法制化。
- 1967年(昭和42年):初めての「建国記念の日」が祝われる。
神武天皇とは? 日本神話の初代天皇
神武天皇(じんむてんのう)は、日本神話に登場する初代天皇です。『古事記』『日本書紀』によると、天照大神(あまてらすおおみかみ)の子孫であり、本名は「神日本磐余彦尊(かむやまといわれびこのみこと)」といいます。
🗡️ 神武東征 ― 日向から大和への旅
神話によると、神武天皇は日向国(現在の宮崎県)で生まれ、45歳の時に「東方に美しい国がある」と聞き、兄たちとともに東を目指す旅に出ました。これが有名な「神武東征(じんむとうせい)」の物語です。
🗺️ 神武東征のルート
- 日向国(宮崎)出発 → 船で瀬戸内海を東へ
- 宇佐(大分)、筑紫(福岡)、安芸(広島)、吉備(岡山)を経由
- 難波(大阪)に上陸 → 生駒山で土豪・長髄彦(ながすねひこ)に敗北、兄を失う
- 迂回して熊野(和歌山)へ → 八咫烏(やたがらす)の導きで山を越える
- 大和(奈良)に入り、長髄彦を討伐
- 橿原宮で即位 → 初代天皇となる
この旅は6年以上に及んだとされ、神武天皇が52歳の時に橿原宮で即位したと伝えられています。神話の中では、金色の鵄(とび)が敵を眩惑させたり、三本足の烏「八咫烏(やたがらす)」が道案内をしたりと、神秘的なエピソードが数多く登場します。
💡 豆知識:八咫烏はサッカー日本代表のシンボル!
神武天皇を導いた「八咫烏」は、日本サッカー協会のシンボルマークとして有名です。「ゴールへ導く」という意味が込められており、日本代表のユニフォームにも描かれています。
❓ 神武天皇は実在したのか?
学術的な観点からは、神武天皇の実在は確認されていません。『日本書紀』に記された「紀元前660年」という年代は、当時の日本にはまだ文字がなく、考古学的な証拠とも一致しません。現代の歴史学では、初期の天皇(1代~9代)は神話・伝説上の存在とされ、実在の可能性が高いのは10代・崇神天皇(3世紀後半~4世紀頃)以降と考えられています。
ただし、神武天皇の神話が「架空」だからといって、価値がないわけではありません。この物語は、古代日本人が「自分たちの国はどのように始まったのか」を説明するために作られた「建国神話」であり、日本の文化・アイデンティティを理解する上で非常に重要な意味を持っています。
世界の建国記念日と比較してみよう
日本の建国記念の日は「神話に基づく」という点で、世界的に見ても珍しい形式です。他の国の建国記念日と比較してみましょう。
| 国 | 記念日 | 由来 |
|---|---|---|
| 🇯🇵 日本 | 2月11日 | 神話上の神武天皇即位日(紀元前660年) |
| 🇺🇸 アメリカ | 7月4日 | 独立宣言採択(1776年) |
| 🇫🇷 フランス | 7月14日 | バスティーユ襲撃(1789年) |
| 🇨🇳 中国 | 10月1日 | 中華人民共和国建国宣言(1949年) |
| 🇰🇷 韓国 | 10月3日(開天節) | 神話上の檀君即位日(紀元前2333年) |
| 🇦🇺 オーストラリア | 1月26日 | イギリス船団上陸(1788年) |
| 🇮🇳 インド | 1月26日 | 憲法施行(1950年) |
このように、多くの国では「独立」「革命」「憲法施行」など、明確な歴史的出来事を建国記念日としています。一方、日本のように神話に基づく国は少数派で、韓国の「開天節」がよく似た例として挙げられます。
建国記念の日には何をするの?
節分の豆まきのような、全国共通で決まった行事はありません。一般の人々にとっては「普通の祝日」として過ごすことが多いですが、主に以下のようなことが行われます。
- 神社の祭典:全国の神社で「建国祭」「紀元祭」などの祭典が執り行われます。特に、神武天皇を祀る奈良県・橿原神宮の「紀元祭」は、毎年多くの参拝者で賑わいます。また、明治天皇を祀る東京都・明治神宮でも祭典が行われます。
- 奉祝式典・パレード:各地で奉祝式典やパレード、講演会などが開催されます。愛国者団体や保守系団体が主催することが多いです。
- 国旗の掲揚:この日に合わせて、自宅や会社の玄関に日本の国旗(日の丸)を掲げる人もいます。ただし、現代では国旗を掲げる家庭は少数派になっています。
- 反対集会:一方で、「建国記念の日に反対する」集会やデモも毎年行われます。歴史認識をめぐる議論が今も続いていることの表れです。
💡 橿原神宮について
橿原神宮(かしはらじんぐう)は、神武天皇が即位したとされる場所に、1890年(明治23年)に創建された神社です。毎年2月11日には「紀元祭」が盛大に行われ、神武天皇と皇后の霊を祀っています。初詣には約90万人が訪れる、奈良県でも有数の参拝者数を誇る神社です。
建国記念の日を英語で説明しよう!実践フレーズ集
ここからは、外国人に建国記念の日を説明するときに使える英語フレーズを紹介します。歴史的背景が複雑なので、ポイントを押さえて簡潔に伝えるのがコツです。
📚 建国記念の日関連の英語ボキャブラリー
- 建国記念の日 → National Foundation Day
- 神武天皇 → Emperor Jimmu
- 初代天皇 → the first emperor of Japan
- 即位する → to ascend the throne / to be enthroned
- 神話 / 伝説 → myth / mythology / legend
- 紀元節 → Kigensetsu / Empire Day
- 日本書紀 → the Chronicles of Japan / Nihon Shoki
- 古事記 → the Records of Ancient Matters / Kojiki
- 国民の祝日 → national holiday / public holiday
- 天照大神 → Amaterasu, the Sun Goddess
- 皇室 → the Imperial Family
- 万世一系 → an unbroken imperial line
📖 英語例文10選+α
例文1:基本説明
🇯🇵 2月11日は建国記念の日で、日本の建国を祝う国民の祝日です。
🇺🇸 February 11th is National Foundation Day, a national holiday to celebrate the founding of Japan.
💡 ポイント:”founding of Japan” で「日本の建国」。シンプルに伝える最初のフレーズとして最適です。
例文2:日付の由来
🇯🇵 この日は、日本の初代天皇である神武天皇が即位した日とされています。
🇺🇸 This day is said to be when Japan’s first emperor, Emperor Jimmu, ascended the throne.
💡 ポイント:”is said to be” で「~とされている」という伝聞のニュアンスを出すのが重要です。”ascend the throne” は「即位する」という定型句。
例文3:神話との関係
🇯🇵 ただし、これは歴史的な事実ではなく、日本の古い神話に基づいています。
🇺🇸 However, this is based on Japanese mythology, not a historically verified fact.
💡 ポイント:”based on mythology”(神話に基づく)と “not a historically verified fact”(歴史的に検証された事実ではない)をセットで使うと誤解なく伝わります。
例文4:祝日の目的
🇯🇵 この祝日の目的は、建国を振り返り、国を愛する心を育むことです。
🇺🇸 The purpose of this holiday is to reflect on the nation’s founding and foster a love for the country.
💡 ポイント:”reflect on” は「~を振り返る、しのぶ」。「養う」は “foster” や “nurture” が使えます。これは法律の条文に近い公式な表現です。
例文5:紀元節について
🇯🇵 戦前、この日は「紀元節」と呼ばれていました。
🇺🇸 Before World War II, this day was called “Kigensetsu,” which can be translated as “Empire Day” or “National Foundation Day.”
💡 ポイント:”Before World War II” で「第二次世界大戦前」という時代背景を明確にします。「紀元」は「era」や「epoch」の意味もあります。
例文6:戦後の経緯
🇯🇵 戦後に一度廃止されましたが、1966年に現在の名前で復活しました。
🇺🇸 It was abolished after the war by the Allied Occupation but was reinstated in 1966 under its current name.
💡 ポイント:”abolish”(廃止する)と “reinstate”(復活させる)は対で覚えておくと便利です。”Allied Occupation” は「連合国による占領(GHQ統治)」を指します。
例文7:当日の過ごし方
🇯🇵 特別な全国的行事はありませんが、一部の神社では祭典が開かれます。
🇺🇸 There are no nationwide events, but some shrines hold festivals and ceremonies to celebrate the day.
💡 ポイント:”nationwide events” で「全国的な行事」を表現。「~はない」と伝えることで、相手の過度な期待を防ぎます。
例文8:国旗の掲揚
🇯🇵 この日、国旗を掲げる家もあります。
🇺🇸 Some people display the national flag at their homes on this day, though it’s not as common as it used to be.
💡 ポイント:国旗を「掲げる」は “display”, “raise”, “fly” などが使えます。”though it’s not as common as it used to be”(昔ほど一般的ではないが)と付け加えると、現代の実態をより正確に伝えられます。
例文9:「の」の意味を説明
🇯🇵 日本語の名前「建国記念の日」の「の」は、この日が史実上の記念日ではないことを示唆しています。
🇺🇸 The particle “no” in the Japanese name “Kenkoku Kinen-no-hi” suggests that this is a day to commemorate the concept of the nation’s founding, rather than a specific historical anniversary.
💡 ポイント:少し踏み込んだ説明。”particle” は助詞。「~を示唆する」は “suggest” や “imply” が使えます。「コンセプトを記念する」という表現で、日本語の微妙なニュアンスを伝えられます。
例文10:他国との比較
🇯🇵 アメリカの独立記念日とは違い、日本の建国記念の日は特定の歴史的出来事に基づいていません。
🇺🇸 Unlike America’s Independence Day, Japan’s National Foundation Day is not based on a specific historical event, but on mythology.
💡 ポイント:相手の国の祝日と比較することで、違いが分かりやすくなります。”Unlike ~” で「~とは異なり」という対比を表現。
📝 追加の応用フレーズ
神武天皇について詳しく説明したいとき:
“According to Japanese mythology, Emperor Jimmu was a descendant of Amaterasu, the Sun Goddess. He is said to have led a military expedition from Kyushu to the Yamato region (present-day Nara), where he established the first imperial dynasty in 660 BCE.”
(日本神話によると、神武天皇は太陽の女神・天照大神の子孫です。九州から大和地方(現在の奈良)へ東征し、紀元前660年に最初の皇朝を開いたとされています。)
歴史の複雑さについて補足したいとき:
“The holiday has a complex and somewhat controversial history. It was originally established in 1873 as ‘Kigensetsu’ but was abolished after WWII due to its association with pre-war nationalism. It was later revived in 1966 after years of debate in the parliament.”
(この祝日は複雑で、やや議論のある歴史を持っています。もともと1873年に「紀元節」として制定されましたが、戦前の国家主義との関連から第二次世界大戦後に廃止されました。その後、国会で何年も議論された末、1966年に復活しました。)
相手の国について質問したいとき:
“Does your country have a national day or independence day? What historical event does it commemorate?”
(あなたの国には建国記念日や独立記念日はありますか?どんな歴史的出来事を記念しているのですか?)
日本の天皇制について触れたいとき:
“Japan has the world’s oldest hereditary monarchy. According to tradition, the current emperor is the 126th in an unbroken line from Emperor Jimmu, though the early emperors are considered legendary rather than historical.”
(日本は世界最古の世襲君主制を持っています。伝統によると、現在の天皇は神武天皇から続く126代目ですが、初期の天皇は歴史的というより伝説的な存在とされています。)
よくある質問(FAQ)
Q: なぜ日本には明確な建国日がないの?
A: 日本は他国のように「独立」「革命」「憲法制定」といった明確な建国の出来事を持っていません。島国として古代から独自の文明を発展させてきたため、「いつ日本という国が始まったか」を特定することが困難なのです。そのため、神話に頼らざるを得なかったという背景があります。
Q: 建国記念の日に反対する人もいるの?
A: はい。毎年、建国記念の日に反対する集会やデモも行われています。反対派の主な主張は、①神話を史実のように扱うことへの疑問、②戦前の「紀元節」との繋がりに対する懸念、③特定の歴史観の押し付けになるという批判、などです。一方で、賛成派は「建国を祝うのは国民として自然なこと」と主張しており、今も議論が続いています。
Q: 「皇紀」とは何?
A: 皇紀(こうき)とは、神武天皇即位の年(紀元前660年)を元年とする日本独自の紀年法です。西暦に660を足すと皇紀になります。例えば、2026年は皇紀2686年です。戦前は公式に使われていましたが、現在はほとんど使われていません。
<まとめ>建国記念の日を英語で説明できるようになろう!
建国記念の日は、日本の神話と近代史が交差する、奥深い背景を持つ祝日です。外国人にとっては特に興味深いトピックですが、その複雑さゆえに説明が難しいのも事実です。
大切なのは、以下の3つのポイントを明確に伝えることです:
- 神話に基づいている(based on mythology)
- 歴史的に証明された事実ではない(not a historically verified fact)
- 戦前の「紀元節」が戦後に復活したもの(revived from pre-war “Kigensetsu”)
この記事で紹介したフレーズを参考に、自信を持って日本の「誕生日」について説明し、国際的な対話を深めるきっかけにしてみてください。相手の国の建国記念日や独立記念日について質問すれば、お互いの文化理解がさらに深まるでしょう。
🎯 2026年の建国記念の日ポイントまとめ
- 日付:2026年2月11日(水)
- 由来:神話上の初代・神武天皇の即位日(紀元前660年)
- 英語名:National Foundation Day
- ポイント:神話に基づく日であり、歴史的に証明された建国日ではない
- 今年の皇紀:皇紀2686年
