太陽系の重さの99.8%は太陽で、8つの惑星の重さの7割は木星
宇宙と地球No.260

太陽系の重さの99.8%は太陽で、8つの惑星の重さの7割は木星

太陽は毎秒426万トンずつ、重さを光に変えている。

ホントTRUE

この判定の対象「太陽系の重さの99.8%は、太陽の重さだ」

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もくじ
  1. NASAのデータで足すと、太陽と8つの惑星の重さのうち、太陽は約99.87%
  2. 8つの惑星の重さを合わせると、そのうち7割は木星
  3. 木星は重いので、太陽と木星がつり合う点は、太陽の表面の外にある
  4. 太陽は1秒に426万トンずつ、重さを光などのエネルギーに変えている
  5. 深掘り講義
  6. まとめ
  7. 英語で読む(A2・4択5問)
  8. 出典・ウラ取り

NASAは、太陽が太陽系の重さの99.8%を占めると説明しています。太陽の重さは、地球の33万個分より大きいのです。

この「99.8%」は、本当でしょうか。NASAのデータ表には、太陽と惑星の重さがのっています。この記事では、それを使って、実際に足し算と割り算をしてみます。

計算を進めると、99.8%の先にある数字も見えてきます。残りのわずかな重さのうち、7割は木星のものでした。そして、太陽は今この瞬間も、1秒に426万トンずつ、重さを光などのエネルギーに変えて軽くなり続けています。

この記事では、まず、太陽と8つの惑星の重さを足して、太陽の割合を計算します。次に、惑星の中での重さの分け方を見ます。そのあと、木星が太陽をどれだけ揺らしているか、太陽が毎秒どれだけ重さを失っているかを計算します。

01NASAのデータで足すと、太陽と8つの惑星の重さのうち、太陽は約99.87%

まず、太陽の重さです。NASAのデータ表によると、約1988400×10の24乗kgです。10の24乗は、1のあとに0が24個つく数です。ここからは、「10の24乗kg」を1つの単位にして数えます。

8つの惑星の重さは、この単位で、次のとおりです。

  • 水星 0.330、金星 4.87、地球 5.97、火星 0.642
  • 木星 1898、土星 568、天王星 86.8、海王星 102

8つを足すと、2666.6になります。太陽の1988400と比べると、とても小さな数です。

太陽と8つの惑星を合わせた重さのうち、太陽の割合を計算します。式は、1988400÷(1988400+2666.6)です。答えは約0.99866。つまり、約99.87%です。惑星をすべて合わせても、約0.13%しかありません。

NASAの「99.8%」は、この計算と合っています。

028つの惑星の重さを合わせると、そのうち7割は木星

次に、惑星の重さだけで比べてみます。8つの惑星の合計2666.6のうち、木星は1898です。割り算をすると、1898÷2666.6=約0.71。木星だけで、惑星の重さの約71%を占めています。木星と土星を合わせると、約92%になります。

木星は、ほかの7つの惑星を全部合わせた重さの、約2.5倍です。地球と比べると、約318倍の重さです。NASAも、木星の材料は、太陽をのぞく太陽系のほかの天体を全部合わせた量の2倍より多い、と説明しています。

一方、地球の重さは5.97です。太陽と8つの惑星の合計の中では、約0.0003%しかありません。逆に言うと、太陽と8つの惑星の重さの合計は、地球の約33万個分です。

では、小惑星はどうでしょうか。NASAによると、小惑星を全部合わせても、月の重さより軽いのです。月の重さは0.073で、地球の約80分の1です。小惑星は、太陽系全体の重さにはほとんど影響しません。

8つの惑星を全部集めても、太陽の重さの約750分の1にしかならない。
8つの惑星を全部集めても、太陽の重さの約750分の1にしかならない。

03木星は重いので、太陽と木星がつり合う点は、太陽の表面の外にある

木星は、太陽の1000分の1ほどの重さです。でも、この重さは、太陽を揺らすのに十分です。

太陽と木星は、2つの天体がつり合う点の周りを、どちらも回っています。この点を「共通重心」と呼びます。シーソーで、重い人と軽い人がつり合う支点のようなものです。重い人は支点の近くに、軽い人は遠くに座ります。

NASAの子ども向けサイトによると、太陽と木星の共通重心は、太陽の表面のすぐ外にあります。データ表の数字で確かめてみます。

木星は、太陽から平均約7億7850万km離れています。共通重心は、この距離を、重さの比で分けた点です。式は、7億7850万km×1898÷(1988400+1898)です。答えは約74万km。太陽の半径は約69万5700kmなので、共通重心は、太陽の表面から約4万7000km外側にあることになります。木星が平均の距離にいるときの計算です。

太陽は、この点の周りを回るので、少しふらつきます。NASAによると、ほかの星のこうしたふらつきを調べることは、その星の周りの惑星を見つける方法の1つです。

04太陽は1秒に426万トンずつ、重さを光などのエネルギーに変えている

太陽の重さは、ずっと同じではありません。NASAのデータ表には、太陽が重さをエネルギーに変える量が、毎秒4260×10の6乗kgと書かれています。トンに直すと、1秒に426万トンです。1日では、約3680億トンになります。

太陽の中心は、約1500万℃です。NASAによると、そこでは核融合という反応が起きています。この反応で、太陽の重さの一部がエネルギーに変わり、光や熱として宇宙に出ていくのです。

太陽ができたのは、約46億年前です。もし、太陽が46億年間、今と同じ割合で重さを失い続けたとします。すると、失った重さは約6.2×10の26乗kgです。これは、地球の約100個分の重さです。

地球100個分と聞くと、ものすごい量に思えます。でも、太陽の重さと比べると、約0.03%にすぎません。46億年かけても、太陽の重さはほとんど変わっていない計算になります。

LECTURE

深掘り講義

ここから先は、もう一段深く。しくみ・史料・論争まで踏み込みます。

「99.8%」には、まだ足していない部分がある

この記事の計算では、太陽と8つの惑星だけを足しました。月などの衛星、小惑星、すい星は入っていません。月は0.073、小惑星は全部合わせても月より軽いので、足しても答えはほとんど変わりません。

ただ、太陽系のずっと外側には、オールトの雲と呼ばれる部分があります。NASAによると、太陽や惑星を大きな球の殻のように包んでいると考えられている部分です。すい星に似た、氷でできた天体が集まっているとされています。NASAによると、オールトの雲は、冥王星よりずっと遠くにあります。そして、NASAはオールトの雲を直接写した画像を持っていません。この記事の計算には、オールトの雲は入っていません。

「太陽系の重さ」と言うとき、どこまでを足すかで、答えは少し変わりうるのです。なお、この記事の計算で出た99.866…%を、小数第1位までで切り捨てると99.8%、四捨五入すると99.9%です。NASAの「99.8%」は、これと食い違ってはいません。

重さの99.8%は太陽なのに、回る勢いの99%以上は惑星が持っている

重さとは別に、もう1つ比べてみたいものがあります。回転する勢いです。物理では「角運動量(かくうんどうりょう)」と呼びます。重いものほど、速く回るものほど、中心から遠くを回るものほど、角運動量は大きくなります。

NASAのデータ表の数字で、計算してみました。前提は2つです。太陽は全体が、データ表の約609時間で1回転すると考えます(実際の太陽は、緯度によって回る速さが違います)。惑星は、太陽の周りを円の道すじで回ると考えます。

その結果、太陽の自転の角運動量は、約1.9×10の41乗でした(単位はkg・m²/s)。木星の公転の角運動量は、約1.9×10の43乗です。木星1つで、太陽の自転の約100倍もあるのです。8つの惑星を合わせると、約3.1×10の43乗になります。太陽の分は、全体の約0.6%しかありません。

重さでは99.8%を占める太陽が、回る勢いでは1%にも届かないのです。

NASAによると、太陽系は、回転するガスとちりの雲がつぶれてできました。雲はつぶれるにつれて速く回り、平たい円盤になりました。材料のほとんどは、中心に集まって太陽になりました。それなのに、回る勢いのほとんどは太陽ではなく惑星が持っています。このかたよりがなぜ生まれたのかは、この記事で使ったNASAの資料には書かれていません。

毎秒426万トンは、E=mc²から計算できる

NASAのデータ表には、太陽が毎秒出しているエネルギーも書かれています。約3.828×10の26乗ジュールです。

アインシュタインの式E=mc²は、重さ(m)とエネルギー(E)が入れかわることを表します。cは光の速さで、秒速約3億mです。この式を使うと、毎秒のエネルギーを光の速さの2乗で割れば、毎秒失う重さが出ます。

計算すると、3.828×10の26乗÷(2.998×10の8乗)²=約4.26×10の9乗kgです。データ表の「毎秒4260×10の6乗kg」と、ぴったり合います。太陽が明るく光っていることは、太陽が軽くなっていることと同じなのです。

05まとめ

NASAのデータ表で計算すると、太陽と8つの惑星を合わせた重さのうち、太陽は約99.87%です。残りの約0.13%のうち、7割は木星が占めています。地球は、全体のわずか0.0003%です。木星は重いので、太陽と木星がつり合う点は、太陽の表面から約4万7000km外にあります。

そして太陽は、毎秒426万トンずつ、重さを光などのエネルギーに変えています。今と同じ割合で46億年続けたとすると、地球約100個分の重さです。それでも、太陽の重さの約0.03%にしかなりません。

人に話すなら、こう言おう

太陽系の重さの99.8%は太陽って言うけど、残りの惑星の重さのうち7割は木星なんだって。しかも太陽は、毎秒426万トンずつ重さを光に変えて、軽くなり続けているらしいよ。
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英語で読む

How Heavy Is the Sun?

CEFR A2218 words4択 5問全訳つき
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英文をタップすると、その文の訳が出ます。

The Sun is very big, but how heavy is it?太陽はとても大きいですが、どれくらい重いのでしょうか。 It would take more than 330,000 Earths to match it.太陽と同じ重さにするには、地球が33万個より多く必要です。 NASA says the Sun has 99.8 percent of the mass of our solar system.NASAは、太陽が太陽系の重さの99.8%を占めると言っています。 We can check this with NASA's numbers.NASAの数字を使って、これを確かめることができます。

Add the masses of all eight planets together.8つの惑星の重さを全部足します。 Then compare the total with the Sun.それから、その合計を太陽と比べます。 The Sun has about 99.87 percent of the total, so NASA is right.太陽は合計の約99.87%を占めるので、NASAの言うとおりです。 All the planets together are only about 0.13 percent.惑星を全部合わせても、約0.13%しかありません。

Jupiter is the giant among the planets.木星は、惑星の中の巨人です。 It has about 71 percent of the mass of all eight planets.木星は、8つの惑星の重さの約71%を占めています。 It is about 318 times heavier than Earth.木星は、地球の約318倍の重さです。 Earth is only about 0.0003 percent of the Sun and planets together.地球は、太陽と惑星を合わせた重さの、約0.0003%しかありません。

Jupiter is heavy enough to make the Sun move a little.木星は、太陽を少し動かせるほど重いのです。 The Sun and Jupiter both go around a balance point.太陽と木星は、どちらも1つのつり合いの点の周りを回っています。 This point is just outside the Sun's surface.この点は、太陽の表面のすぐ外にあります。 Astronomers look for this kind of small movement in other stars to find their planets.天文学者は、ほかの星のこうした小さな動きを探して、その星の惑星を見つけます。

The Sun is also losing weight every second.太陽は、毎秒軽くなってもいます。 It changes about 4.26 million tons of its mass into light and other energy each second.太陽は毎秒、自分の重さのうち約426万トンを、光などのエネルギーに変えています。 That sounds like a lot.とても多く聞こえます。 But even after 4.6 billion years at this speed, the Sun would lose only about 0.03 percent of its mass.でも、この速さで46億年たっても、太陽が失う重さは、自分の重さの約0.03%だけです。 That is about the mass of 100 Earths.それは、地球約100個分の重さです。

4択問題 Reading Quiz

  1. Q1What is this story mainly about?

    この話は主に何についてのものですか。

  2. Q2About how much of the mass of all eight planets does Jupiter have?

    木星は、8つの惑星の重さのうち約何%を占めていますか。

  3. Q3Why does the Sun move a little?

    太陽が少し動くのはなぜですか。

  4. Q4In paragraph 2, the word "compare" is closest in meaning to ...

    第2段落の compare に最も意味が近いのはどれですか。

  5. Q5Which is true about the Sun?

    太陽について正しいのはどれですか。

重要語 Key Words(タップで裏返る)

  • mass名詞
    質量、重さ

    The mass of this rock is 2 kilograms.

    この石の質量は2キログラムだ。

    💡 科学では weight(重さ)と区別して「物の量」を表す。

  • solar system名詞
    太陽系

    Mars is a planet in our solar system.

    火星は私たちの太陽系の惑星だ。

    💡 solar は「太陽の」。solar panel(太陽光パネル)。

  • percent名詞
    パーセント

    Fifty percent of the class likes soccer.

    クラスの50%がサッカーを好きだ。

    💡 per(~につき)+cent(100)。

  • total名詞
    合計

    The total was 3,000 yen.

    合計は3000円だった。

    💡 in total で「全部で」。

  • compare動詞
    比べる

    Compare your answer with your friend's.

    自分の答えを友だちのと比べなさい。

    💡 compare A with B で「AをBと比べる」。

  • balance名詞
    つり合い、バランス

    She lost her balance and fell.

    彼女はバランスをくずして転んだ。

    💡 balance point で「つり合いの点」。

  • surface名詞
    表面

    The surface of the Sun is very hot.

    太陽の表面はとても熱い。

    💡 sur(上)+face(顔)。

  • energy名詞
    エネルギー

    Food gives us energy.

    食べ物は私たちにエネルギーをくれる。

    💡 発音は「エナジー」。

SOURCES出典・ウラ取り

この記事の事実は、次の資料を実際に開いて確認しています(確認した事実 18件)。

  1. Sun: Facts(NASA Science)science.nasa.gov
  2. Sun Fact Sheet(NASA NSSDCA)nssdc.gsfc.nasa.gov
  3. Planetary Fact Sheet - Metric(NASA NSSDCA)nssdc.gsfc.nasa.gov
  4. Jupiter: Facts(NASA Science)science.nasa.gov
  5. What Is a Barycenter?(NASA Space Place)spaceplace.nasa.gov
  6. Asteroids: Facts(NASA Science)science.nasa.gov
  7. Oort Cloud(NASA Science)science.nasa.gov

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文章はすべて資料をもとに独自の言葉で書いています。画像はオリジナルのイメージです。誤りにお気づきの方は訂正窓口へ。

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