まずはこれだけ5分
書いた要約を、要約ノートの採点パネルで100点満点で採点します。まずは点数を出すだけでかまいません。細かい基準は、点が低かった観点だけ、あとで読めば十分です。
要約ノートで採点する →100点の内訳
この節でわかること:100点が4つの観点にどう分かれているか。
このサイトの要約採点は、100点満点です。内容(要点)50点、構成・論理20点、表現20点、字数・形式10点の4つに分かれています。要約ノートの自己採点パネルも、この配点と同じです。
| 観点 | 配点 | 見るところ |
|---|---|---|
| 内容(要点) | 50 | 大事な点が入っているか。余計な点がないか |
| 構成・論理 | 20 | 主張が先か。つながりが分かるか |
| 表現 | 20 | 自分の言葉か。文体が統一されているか |
| 字数・形式 | 10 | 制限の範囲に収まっているか |
半分が内容というのは、要約の本質が「何を残すか」だからです。どんなに文章が上手でも、要点が抜けていれば要約になりません。逆に、多少ぎこちなくても、要点が入っていればそこそこの点になります。
1文ずつ間違い探しをすると時間がかかります。まず観点ごとに「A〜Dのどこか」を決め、点数に換えるほうが速く、安定します。
内容(要点):50点
この節でわかること:配点の半分を占める内容点を、要点ごとに数える方法。
練習問題では、問題ごとに「要点」が4〜5個決まっていて、それぞれに重み(1〜3)がついています。要点ごとに、含めた=満点、不十分=半分、なし=0で数え、重みに応じて点を配分します。たとえば要点が5個で、重みが3・3・2・1・1、合計10だとします。1重み=5点なので、重み3の要点は15点、重み1の要点は5点です。
動画や自由入力の場合は、模範の要点がありません。代わりに、次の5つの質問に答えて、内容点を出します。各10点が目安です。
| チェック | 10点の目安 |
|---|---|
| 主張を1文で言えた | 冒頭〜3文目までに主張がある |
| 根拠を入れた | 理由・しくみが1つ以上ある |
| 具体例を削った | 例を細かく書いていない |
| 数字・固有名詞を入れすぎていない | 入れても1〜2個まで |
| 筆者の意見と自分の意見を混ぜていない | 「私は〜と思う」がない |
内容点のレベル表
| レベル | 点 | 様子 |
|---|---|---|
| A | 45〜50 | 主張・根拠が入り、余計な情報がほぼない |
| B | 35〜44 | 主張はあるが、根拠が薄い、または例が残る |
| C | 20〜34 | 主張はあいまい。細部の説明が中心 |
| D | 0〜19 | 主張がない、または内容を取り違えている |
くわしく:内容の減点例中級
次の表は、よくある減点の例です。点数は目安なので、先生や採点者が状況に合わせて調整してください。
| 減点の例 | 目安 |
|---|---|
| 主張がまったく入っていない | -15〜-20 |
| 根拠が入っていない | -10 |
| 具体例を細かく書き、字数を使い切った | -8〜-10 |
| 数字・固有名詞が3つ以上ならんだ | -5 |
| 因果を逆に書いた | -10 |
| 原文にない内容を書いた | -10 |
| 自分の意見が混ざった | -5〜-10 |
「原文にないことを書いた」は、特に重い減点です。要約は「原文を短くしたもの」であって、「原文を読んだ感想」ではありません。動画要約の場合も、公式の字幕で確かめて、動画にないことを書いていないかを見ます。
構成・論理:20点
この節でわかること:文章の組み立てを、4つの質問だけで採点する方法。
構成・論理は、4つの観点を「はい/だいたい/いいえ」で答えます。各5点で、はい=5、だいたい=約2.5、いいえ=0です。
| 観点 | はい | いいえ |
|---|---|---|
| 主張が冒頭にある | 最初の1文で言い切っている | 背景の説明から始まる |
| 根拠との接続が明確 | 「なぜなら」「だが」等が分かる | 文が並ぶだけ |
| 一文が長すぎない | 1文が60字前後まで | 1文が100字を超える |
| 同じ語の繰り返しがない | 言い換えている | 同じ語が3回以上 |
日本語の要約で特に多いのは、「一文が長すぎる」ことです。字数を詰めようとして、「が」「て」で文をつなぎ続けてしまうのです。一文を切って接続語を入れるほうが、字数が同じでも点は上がります。
構成・論理のレベル表
| レベル | 点 | 様子 |
|---|---|---|
| A | 18〜20 | 主張が先。因果・対比が一読で分かる |
| B | 13〜17 | 順序は正しいが、つながりが一部弱い |
| C | 7〜12 | 文が並ぶだけ。主張が後ろにある |
| D | 0〜6 | 何を言いたいのか分からない |
表現:20点
この節でわかること:日本語と英語で少し違う、表現点の見方。
表現も4観点×5点です。観点は日本語と英語で少し違います。特に大事なのは、原文の言い回しをそのまま写していないかです。写せば書くのは楽ですが、要約力の練習にはなりません。
| 日本語 | English |
|---|---|
| 常体で統一されている | 時制が統一されている |
| 体言止め・「〜こと」を使い分けている | 三人称で書いている |
| 原文をそのまま写していない | 原文の文をそのまま写していない |
| 誤字・脱字がない | 接続語を使っている |
日本語では、「です・ます調」と「だ・である調」が混ざると、それだけで減点の対象になります。要約は常体(だ・である)で統一します。英語では、要約は第三人称・現在形が基本です。「I think」で書き始めた時点で、要約ではなく意見になってしまいます。
表現のレベル表
| レベル | 点 | 様子 |
|---|---|---|
| A | 18〜20 | 自分の言葉。文体が統一。誤字なし |
| B | 13〜17 | 一部、原文の言い回しが残る |
| C | 7〜12 | 原文の写しが多い。文体が混ざる |
| D | 0〜6 | ほぼ写している。誤字が目立つ |
くわしく:表現の減点例中級
| 減点の例 | 目安 |
|---|---|
| です・ます調とだ・である調が混ざる | -3〜-5 |
| 原文の一文を、ほぼそのまま写す | -5〜-8 |
| 同じ動詞を3回以上繰り返す | -2〜-3 |
| 誤字・脱字が2つ以上 | -3 |
| 英語で、主語が抜けている | -3 |
| 英語で、I think / In my opinion が入る | -5 |
| 英語で、時制が過去と現在で混ざる | -3〜-5 |
字数・形式:10点
この節でわかること:迷う余地のない字数点のルール。
字数点はいちばん簡単で、制限に対する割合だけで決まります。要約ノートでは自動で採点されます。
| 制限に対する割合 | 点 | 100字なら |
|---|---|---|
| 90〜100% | 10点 | 90〜100字 |
| 80〜89% または 101〜105% | 5点 | 80〜89字 / 101〜105字 |
| それ以外 | 0点 | 79字以下 / 106字以上 |
日本語は、句読点を含む文字数で数えます。英語は語数(words)です。50 wordsなら、45〜50語が満点です。入試の要約問題では、字数オーバーが大きく減点されたり、採点の対象外になったりすることもあります。ふだんから制限を守る癖をつけておきましょう。形式は大学・年度によって異なるため、最新の募集要項・過去問で確認してください。
最初から制限ぴったりを狙うより、9割台(100字なら90〜95字)で書き上げると、書き直しで言葉を足す余裕が残ります。ぎりぎりで書くと、直すたびにオーバーしがちです。
5分で採点するコツ
この節でわかること:先生も生徒も使える、5分で終わる採点の手順。
- まず字数を数える30秒
字数点をすぐに確定させます。ここは迷う余地がありません。
- 要点を探す1分30秒
要点のリストを横に置き、それぞれが要約のどこに入っているかを鉛筆でチェックします。入っていない要点には丸をつけます。
- 構成を見る1分
最初の1文が主張か。「なぜなら」「しかし」などのつながりがあるか。この2点を見れば、構成点は出せます。
- 表現を見る1分
文体の統一、原文の写し、誤字を、上から下へ一度で見ます。多く見つかったら、B・Cに下げます。
- コメントを1行書く1分
良い点1つ、直す点1つを書きます。例文は次の節で紹介します。
5分で終えるには、全部を完璧に見ようとしないことです。気になる点が20個あっても、書くのは1つだけ。採点する側が疲れないことも、続けるためには大事です。
フィードバックの書き方
この節でわかること:読んだ人がすぐ書き直せるコメントの型と例文。
良いコメントは、「良い点1つ」+「直す点1つ」+「次の行動」の3点セットです。点数だけ、または「もっと頑張ろう」では、次に何をすればいいのか分かりません。
- 「主張が1文目にあって分かりやすい。次は、2文目に理由を入れてみよう」
- 「具体例が消せているのが良い。数字は1つに絞ろう」
- 「文体が統一できている。同じ動詞が3回出るので、言い換えてみよう」
- 「全体的にイマイチ」
- 「もっと簡潔に」
- 「間違いが多い」
「もっと簡潔に」という助言は、正しくても、何を削ればいいのか分からなければ役に立ちません。「具体例を削ろう」「体言止めに変えてみよう」のように、動詞で終わる具体的な指示を書くのがコツです。
くわしく:状況別のコメント例初級
| 状況 | コメント例 |
|---|---|
| 字数オーバー | 「内容は良い。具体例を1つ削って、字数内に収めよう」 |
| 主張が後ろ | 「結論を先に書き、理由を後ろに回してみよう」 |
| 写しが多い | 「主語を変えて書き直してみよう」 |
| 内容が浅い | 「理由が1つ抜けている。『なぜ?』を自分に問おう」 |
| 自分の意見 | 「これは感想。要約ではカットしよう」 |
| 点が上がった | 「前回より字数が安定した。この調子で」 |
先生・保護者向け:使い方
この節でわかること:先生や保護者が、この基準で生徒の要約を見るときのポイント。
生徒が提出する要約を採点するときは、まず生徒の自己採点を見てください。自己採点と先生の採点のズレが大きい観点が、生徒が「気づいていない弱点」です。その観点だけを丁寧に説明すると効果的です。
- 1回に見る観点は1〜2個にしぼる(例:今週は「主張が先か」と「字数」だけ)
- 点数を渡すより、書き直し(Draft 2)を求める。2回目の得点が上がることが、いちばんの動機づけです
- 動画要約は、動画の内容を教員が全部確認できないことも多いです。「公式の字幕で確かめたか」を生徒に聞くと、確認の習慣がつきます
保護者の方は、英語が分からなくても採点に参加できます。お子さんの日本語の要約を読んで、「何の話か、これだけで分かるか」を確かめてください。読んで分かれば、構成・論理はおおむね合格です。
これは学習用の目安です。学校・予備校・大学ごとに、実際の採点基準は異なります。志望校の形式は、最新の募集要項や過去問で確認してください。
提出しやすい形式として、要約ノートには「提出用テキストをコピー」と「印刷用シート」があります。LINEやメールで先生に送ったり、紙で提出したりできます。
印刷用チェック表
この節でわかること:そのまま印刷して使える、15項目の採点表。
次の表を、そのままコピー・印刷して使えます。要約ノートの「印刷用シート」なら、題名や本文も入った形で出力できます。
| 観点 | 配点 | 得点 |
|---|---|---|
| 内容:主張を1文で言えた | 10 | |
| 内容:根拠を入れた | 10 | |
| 内容:具体例を削った | 10 | |
| 内容:数字・固有名詞を絞った | 10 | |
| 内容:自分の意見を混ぜない | 10 | |
| 構成:主張が冒頭にある | 5 | |
| 構成:つながりが明確 | 5 | |
| 構成:一文が長すぎない | 5 | |
| 構成:同じ語の繰り返しなし | 5 | |
| 表現:文体の統一 | 5 | |
| 表現:体言止め/三人称の使い分け | 5 | |
| 表現:原文を写していない | 5 | |
| 表現:誤字/接続語 | 5 | |
| 字数・形式 | 10 | |
| 合計 | 100 |
採点の実例:58点の要約
この節でわかること:実際の要約に点をつけると、どこで点を落とし、何を直せば上がるか。
日本語で要約する:字数別テクニックに載せた、オリジナルの文章(スマートフォンと待ち時間の話)を100字以内で要約した例を、実際に採点してみます。次の要約は75字です。
駅のホームでは、多くの人がスマートフォンを見ている。もちろん便利な道具だが、私は見すぎるのはよくないと思う。退屈がなくなり、考える時間が減ったからだ。
| 観点 | 得点 | 理由 |
|---|---|---|
| 内容 | 30/50 | 根拠は入ったが、主張が弱く、自分の意見が混ざった |
| 構成・論理 | 12.5/20 | 冒頭が具体場面で、主張が後ろに回っている |
| 表現 | 15/20 | 常体だが、原文の言い回しが残り、体言止めがない |
| 字数・形式 | 0/10 | 75字は制限の75%。9割に届いていない |
| 合計 | 約58点 | 内容と字数を直せば、70点前後が見えてくる |
この要約で、まず直すのは2つです。「私は〜と思う」を消して筆者の主張に置き換えること、そして字数を90字前後まで増やして、「退屈は考えを整理する時間だった」という理由を入れることです。この2つを直すだけで、10点以上は上がります。
ここでの点数は、あくまで練習用の目安です。同じ要約を別の人が採点すれば、5点程度の差は出て当然です。大事なのは点数の細かい違いではなく、「どの観点が弱いか」が見えることです。