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🩺 要約のNG10と処方箋

減点されやすい10のミスと、その直し方

⏱ 読了の目安 約11分
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まずはこれだけ5分

自分が書いた要約を1つ手元に置き、下の一覧表で「これ、やっているかも」というNGに丸をつけてください。丸がいくつついても、直すのは3つまで。全部を一度に直そうとしないのがコツです。

要約ノートを開く →

10のNG一覧

この節でわかること:減点されやすいミスと、一言の処方箋。番号を見て、気になる項目の解説へ進んでください。

番号NG処方箋
1原文の丸写し自分の言葉に言い換える
2具体例を入れすぎ具体例は削り、共通点だけ残す
3自分の意見を混ぜる筆者の主張だけを書く
4字数オーバー優先順位表の順に削る
5主張が後ろにある主張を1文目に出す
6接続がない因果と対比でつなぐ
7数字・固有名詞の入れすぎ上位語に置き換える
8主語のねじれ主語と述語を対応させる
9「〜と述べている」の連発文末を整理し、一度に絞る
10言い換え不足語と構文の両方を変える
この解説の例文について

例文は、要約の完全ガイドの実演で使ったオリジナル英文「毎日の短い学習と、週1回の長時間学習」の要約を想定しています。実在の文章や入試問題ではありません。

NGの前提

要約の採点では、内容(要点)・構成と論理・表現・字数と形式の4つが見られることが多いです。10のNGは、そのどれかで点を落としやすいミスです。実際の採点基準は大学ごとに異なります。

NG1:原文の丸写し

原文の文を、語順も言葉もそのまま訳して並べる書き方です。要約ではなく「抜粋」になり、内容を理解しているかが伝わらないため、減点されやすくなります。

👍 こう直す
  • 語学は短時間を毎日続ける方が効果的だ。
👎 こうしない
  • 多くの学生は週に一度の長い勉強が最良と信じているが、短い毎日の練習の方がたいてい効果的だ。

処方箋:原文を閉じて、頭の中の理解だけで書いてみます。書けなければ、まだ理解できていないサインです。

NG2:具体例を入れすぎ

具体例は、主張を説明するための材料です。要約に入れると字数を圧迫し、主張が埋もれます。

👍 こう直す
  • 毎日続ける学習は、同じ語に何度も出会えるため効果的だ。
👎 こうしない
  • 毎日15分学ぶ生徒は同じ語に何度も出会い、日曜に2時間学ぶ生徒は数回しか出会わないので、毎日が良い。

処方箋:[ ]で囲んだ具体例を、まず全部消してから書き始めます。共通点だけを、上位の言葉で1つ残します。

NG3:自分の意見を混ぜる

要約に、自分の意見や感想は不要です。「私もそう思う」と書いても、内容点にはなりません。字数を使うだけで、減点の対象になることもあります。

👍 こう直す
  • 毎日の短い学習が、記憶の定着に効果的だ。
👎 こうしない
  • 私も毎日の学習が大切だと思う。筆者の考えは正しいと感じた。

処方箋:「私」「思う」「感じる」を、答案から探して消します。意見を書く問題(自由英作文など)と混同しないでください。

NG4:字数オーバー

制限を超えると、内容が正しくても減点されたり、採点の対象外になったりする形式があります。形式は大学で違うので、問題文の指示を確認してください。

👍 こう直す
  • 具体例、譲歩の順に削り、主張と根拠だけで57字に収める。
👎 こうしない
  • 60字の問題に、具体例と譲歩まで入れて73字になった。

処方箋:書き終えたら必ず字数を数えます。超えたときは、削る優先順位表の上から削ります。

NG5:主張が後ろにある

原文の順にそのまま書くと、主張が最後に来ます。読み手は、最初に何が言いたいのかがわからず、論理がつかみにくくなります。

👍 こう直す
  • 1文目に主張、2文目に根拠を置く。「語学は毎日続ける方が効果的だ。記憶は繰り返しで定着するからである。」
👎 こうしない
  • まず多くの人の考えを述べ、記憶の仕組みに触れ、最後にやっと「だから毎日が効果的」と書く。

処方箋:書き始める前に、「主張を1文で」書いておきます。その文を、要約の1文目に置きます。

NG6:接続がない

文を並べただけの要約は、因果や対比が見えず、論理の点が伸びません。文の関係を、接続の言葉で示しましょう。

👍 こう直す
  • 毎日の学習が効果的だ。記憶は繰り返しで定着するからである。長時間学習も作文には有効だが、語彙の習得には短い練習の方が向く。
👎 こうしない
  • 毎日の学習が効果的だ。記憶は繰り返しが必要だ。長時間学習は作文に有効だ。

処方箋:各文の間に「なぜなら」「しかし」「つまり」のどれが入るかを考えます。入る言葉がわかれば、その関係を文に反映します。

NG7:数字や固有名詞の入れすぎ

数字や固有名詞は、具体例に付いてくることが多いものです。要約の主旨には不要で、入れるほど字数が減ります。

👍 こう直す
  • まとめて長く学ぶより、毎日少しずつ学ぶ方が、同じ語に何度も出会える。
👎 こうしない
  • 15分と2時間を比べ、日曜の2時間では数回しか語に出会わないと述べる。

処方箋:数字は「多い」「少ない」に、固有名詞は「ある国」「ある学者」など、上位の言葉に置き換えます。主旨に不要なら、消します。

NG8:主語のねじれ

長い文を書くと、主語と述語が対応しなくなることがあります。日本語では特に起こりやすいミスです。

👍 こう直す
  • この文章の主旨は、短時間でも毎日続けることが効果的だという点である。
👎 こうしない
  • この文章の主旨は、短時間でも毎日続けることが効果的だ。

処方箋:書き終えたら、各文の主語と述語だけを抜き出して読みます。対応しなければ、文を短く区切り直します。

NG9:「〜と述べている」の連発

文末をすべて「筆者は〜と述べている」にすると、字数を無駄に使います。同じ形が続いて、読みにくくなります。

👍 こう直す
  • 文末は「〜だ」「〜からである」で統一し、必要なら最後に一度だけ「〜と主張している」を使う。
👎 こうしない
  • 筆者は毎日が効果的だと述べている。筆者は記憶に繰り返しが必要だと述べている。筆者は長時間学習も有効だと述べている。

処方箋:「筆者は」は要約全体で多くても一度にし、文末は「〜だ」「〜からである」を基本にします。

NG10:言い換え不足

原文の語や構文を、少し変えただけで使う書き方です。丸写しほど目立ちませんが、理解の深さが見えません。

👍 こう直す
  • 少しずつ毎日続ける方が定着しやすい。記憶には、間隔をおいた反復が要る。
👎 こうしない
  • 短い毎日の練習の方が効果的で、記憶は時間をかけた繰り返しを必要とする。

処方箋:語だけでなく、構文も変えます。名詞を動詞に、受け身を能動に、否定を肯定に、など。言い換えの型を使いましょう。

くわしく:NGが重なりやすい組み合わせ中級

ミスは1つだけで起きるより、いくつか重なって起きることが多いものです。特に次の組み合わせに注意してください。

組み合わせ原因直し方
NG1+NG10原文を離れて書けない原文を閉じて書く
NG2+NG4具体例を削らない具体例を先に全部消す
NG5+NG6構造を意識しない1文目に主張、接続で根拠
NG3+NG9筆者と自分の区別が曖昧「私」を消し、主語を整理

ビフォーアフターで見る直し方

NGがいくつも重なった答案を、実際に直してみましょう。60字の問題を想定しています。

👍 直した答案(57字)
  • 語学は長時間の勉強を時々するより、短時間を毎日続ける方が効果的だ。記憶には間隔をおいた繰り返しが必要だからである。
👎 直す前の答案(73字)
  • 筆者は、多くの学生が週に一度の長い勉強を最良と信じていると述べている。しかし、15分を毎日学ぶ生徒は語に何度も出会えると述べている。私もそう思う。
直す前のNGどう直したか
NG1・NG10(原文に近い)原文を閉じて、自分の言葉に組み直した
NG2・NG7(具体例・数字)「15分」の例を削った
NG3(意見)「私もそう思う」を削除
NG5(主張が後ろ)主張を1文目に置いた
NG9(述べている連発)文末を「だ」「である」に統一
NG4(字数)制限内の57字に収めた

直す前の答案は、主張がはっきりせず、最後に意見まで混じっています。直した答案は主張と根拠の2文だけ。これが要約の基本形です。

NGの見つけ方:3分の添削手順

この節でわかること:自分の答案を、自分で添削する手順。先生に見てもらえない日でも使えます。

  1. 声に出して読む1分

    つっかえる所、息が続かない所に印をつけます。長い文や、主語のねじれ(NG8)が見つかります。

  2. 原文と並べる1分

    原文と同じ言葉が続く所(NG1・NG10)と、原文の具体例に当たる所(NG2・NG7)を探します。

  3. 一覧表で照合する1分

    10のNG一覧と見比べて、当てはまる番号に丸をつけます。丸の多い番号から、3つを選びます。

くわしく:NG別の1分ドリル中級

直したいNGが決まったら、1分でできるドリルで感覚をつかみましょう。

NG1分ドリル
1・10今日の要約の1文を、別の言い方で3通り書く
2・7具体例を1つ選び、数字を消して上位語にする
3答案から「私」「思う」を探して消す
4字数を数え、制限の90〜100%に収める
5要約の1文目を、主張の文に書き換える
62つの文の間に入る接続語を書き足す
8各文の主語と述語だけ抜き出して読む
9「述べている」を、別の文末に3通りで直す
先生に見てもらうときは

「どのNGが気になるか」を先に伝えると、的を絞った助言がもらえます。たとえば「NG5と6を直したいので、そこを見てください」のように。

よくある質問

どのNGから直すのがよいですか?
まずNG4(字数)とNG3(意見の混入)から。どちらも見た目で見つけられるミスなので、すぐ直せて効果が出やすいからです。次にNG5(主張の位置)に進みます。
NGを避けようとすると、何も書けなくなります。
最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。まず書いてから、一覧表で照合して直す順番にすると、手が止まりません。
減点の基準は、どの大学でも同じですか?
同じではありません。採点基準は大学・年度で異なります。ここで挙げたのは、一般に減点されやすいと考えられるミスです。

自己診断クイズ

Q. 要約に入れない方がよいものは、次のうちどれですか?
具体例の数字は、主旨に不要なことが多く、削る優先順位が高いものです。主張・根拠・結論は残します。
Q. 「筆者は〜と述べている」を何度も使うと、どうなりやすいですか?
同じ形の文末が続くと字数を使い、要点が入らなくなります。主語は一度だけにして、文末を整理しましょう。
Q. 60字の問題に73字書いてしまいました。最初に削るべきものは?
削る順は、具体例や補足が先です。主張と根拠の中心は、最後まで残します。

提出前のセルフ診断

答案を出す前の10項目
直すのは3つまで

一度に全部を直そうとすると、かえって崩れます。一番多く丸がついたNGを3つ選び、次の1週間はその3つだけを意識してください。

要約ノートで自己採点する書いた要約を保存し、書き直しで点数の変化を確認開く →