meteor shower はなぜ shower なのか — 流星群と日食が重なる8月12日
1日2分ニュース英語 第2号
今年のペルセウス座流星群は8月12日〜13日にピーク。しかも同じ日に皆既日食まで重なる稀な年。「流星群」は英語で meteor shower——なぜ雨(shower)と言うのか、meteoroid / meteor / meteorite の3兄弟の違い、Perseids の -id の正体まで、2分で。
監修:原田高志(原田英語.com)
今日の題材は、来週の空です。ペルセウス座流星群のピークが8月13日未明——そして偶然にも、同じ8月12日の日中には皆既日食まで重なります。「流星群」と「日食」、英語ではそれぞれ meteor shower と solar eclipse。この2語を語源から解きほぐすと、天文用語というより、古代人が空を見上げてつぶやいた言葉のほうへ降りていけます。
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見出し
A solar eclipse and the Perseid meteor shower arrive on the same day
皆既日食とペルセウス座流星群が、同じ日に到来する
出典: ScienceDaily
本文
This August, two of the sky's biggest events arrive together.
この8月、空でいちばん人気の2大イベントが同時にやって来ます。
A total solar eclipse will cross parts of Russia, Greenland, Iceland, and Spain on August 12.
8月12日、皆既日食がロシア、グリーンランド、アイスランド、スペインの一部を横切ります。
And that very same night, the Perseid meteor shower will peak under a nearly new-moon sky.
そしてまさにその夜、ペルセウス座流星群がほぼ新月の空の下でピークを迎えます。
チェック
| 語句 | 意味 | 英語の定義 |
|---|---|---|
| total solar eclipse | 皆既日食 部分日食は partial solar eclipse、月食は lunar eclipse。 | a time when the moon completely covers the sun |
| cross | ~を横切る、通過する | to move from one side of something to the other |
| meteor shower | 流星群 | many meteors seen in the sky in a short time |
| peak | ピークを迎える、最大になる 名詞「頂点」から動詞になった語。 | to reach the highest point |
| new moon | 新月 | the moon when we cannot see it at all |
| that very same night | まさにその同じ夜に very は same を強めています。「ほかならぬその夜」。 | on exactly the same night |
| arrive | (出来事が)到来する | to happen or come at last |
| per hour | 1時間あたり | for each hour |
対訳
この8月、空でもっとも人気のある2つの出来事が、同時にやって来る。
8月12日、皆既日食がロシア、グリーンランド、アイスランド、スペインの一部を横切る。そしてまさにその同じ夜、ペルセウス座流星群が、ほぼ新月という条件の空の下でピークを迎えるのだ。
訳出のポイント
meteor shower 流星群
meteor は古代ギリシャ語 metéōron(メテオーロン=高いところにあるもの)に由来します。もとは「空に浮かぶあらゆる現象」——雲も虹も雷も、みんな meteor でした。天気を扱う学問を meteorology(気象学)と呼ぶのは、この古い意味の名残です。「流れ星」に意味が絞られたのは、じつは比較的最近のことなのです。
shower はもちろん「にわか雨」。一晩に何十個も、短時間に空から降ってくる姿を、英語圏の人々は「星の通り雨」と呼び分けたわけです。日本語の「群れ」は静的な集合ですが、英語の shower は「降ってくる動き」が入っている——同じ現象を、言葉ごとに違う角度から切り取っているのが面白いところです。
見出しの Perseid(ペルセイド)にも謎があります。この -id という語尾は「〜の子」「〜から出てきたもの」を意味するギリシャ語の接尾辞です。ペルセウス座(Perseus)から放射状に流れて見える星たちなので、「ペルセウスの子どもたち」と呼ばれる——それが Perseids の正体。同じ理屈で、ふたご座流星群は Geminids、しし座流星群は Leonids。星たちに親の名前がついている、詩的な英語の伝統です。
The Perseid meteor shower peaks every August, producing up to 100 meteors per hour.
ペルセウス座流星群は毎年8月にピークを迎え、1時間に最大100個の流星を放つ。
We stayed up all night to watch the meteor shower from a dark hillside.
私たちは真っ暗な丘の上から流星群を見るために一晩中起きていた。
stay up all night は「徹夜する」の口語表現。ここでも音声で自然な連結を確認してみてください。
meteor / meteorite / meteoroid 流星/隕石/流星物質(宇宙塵)
同じ「流れ星」まわりの英語には3兄弟がいます。meteoroid(メテオロイド)は宇宙空間を漂う小さな石やちり、meteor(メテオ)はそれが地球の大気に突入して光の筋を引いている瞬間、meteorite(メテオライト)は燃え尽きずに地表まで届いた石。宇宙にあるとき/燃えているとき/落ちてきたあとの三段階で名前が変わる、英語らしい細分化です。
そして流星群を光らせているのは、じつは大昔にほうき星(comet)が撒いていったちりの粒。8月に地球がそのちりの帯を横切るので、私たちの空にペルセウス座流星群として降ってくるわけです。空を見上げているとき、私たちは何千年も前のほうき星の落とし物を見ている——なんとも壮大な話です。
A meteorite the size of a fist was found in the field.
こぶし大の隕石が、その畑で見つかった。
events arrive 見出し英語のワンポイント:無生物主語の arrive
今日の見出しの動詞に注目してください——A solar eclipse and the Perseid meteor shower arrive on the same day. 主語はイベントで、「到来する」を意味する arrive が使われています。
日本語なら「日食が起こる/流星群が見られる」と受け身寄りに訳すところを、英語はイベント自体を主語に立てて能動でしゃべるのが得意です。The morning arrived.(朝がやってきた)、The moment came.(その瞬間が訪れた)と同じ発想。主語欄に生き物が座らなくてもいい——この身軽さが、英語の見出しをコンパクトにしています。
入試でも「無生物主語」は定番のテーマです。This road will take you to the station.(この道を行けば駅に着きます)のように、主語を人にせずに訳す練習をしておくと、和訳問題で一段うまくなります。
The day finally arrived.
その日がついにやって来た。
This road will take you to the station.
この道を行けば駅に着きます。
直訳は「この道があなたを駅へ連れて行く」。無生物主語の代表例です。
発音・リズム
meteor は /ˈmiː.ti.ər/(ミーティア)と後半が弱く落ちるので、カタカナの「メテオ」より前を長く。
Perseid は /ˈpɜːr.si.ɪd/(パーシッド)で、真ん中の -sei- を「セイ」と読むとネイティブには通じません。
eclipse は /ɪˈklɪps/(イクリップス)と最初の i を軽く、後ろの clipse を強く。英語の外来語は日本語のカタカナで固まってしまいがち——3語とも音源で耳を洗いなおすのに良い題材です。
背景メモ
ペルセウス座流星群は毎年7月中旬から8月下旬にかけて活動し、2026年は8月13日 14:53 UTC(日本時間 13日23:53頃)に極大が予想されています。母天体はスウィフト・タットル彗星(周期約133年)で、この彗星が過去に残したちりの帯を地球が通過することで、大量の流星が観測されます。今年は極大時に月がほぼ新月(ニュームーン)——月明かりの影響がほぼ無い理想的な条件で、暗い場所では1時間に50〜75個、条件がよければ100個超が期待できるとのことです。
そしてこの2026年のいちばんの特徴は、同じ8月12日の日中に皆既日食が起きること。皆既帯はグリーンランド北部からアイスランド、スペイン北部にかけて延び、そこでは昼の空に太陽と月の重なりを見、夜には流星群を見上げるという稀有な一日になります。
今日のまとめ
- 1 meteor はギリシャ語で「高いところの現象」——気象学 meteorology と同じ語源
- 2 meteoroid(宇宙)/meteor(燃えている)/meteorite(落ちてきた)の3段階
- 3 Perseids の -id は「〜の子」=「ペルセウスの子どもたち」。Geminids・Leonids も同じ
- 4 見出し英語は「イベントを主語」に立てて能動で言うのが得意
編集後記
「流れ星に3回願いをかけると叶う」というあの言い伝え、じつはヨーロッパ発祥という説が有力で、流れ星は神が瞬きしたあとに一瞬だけ天の扉が開くから——という中世の民間信仰から来ているのだそうです。3回言い切れる願いは本気の願いだけ、というテストにもなっています。
今年は月明かりが邪魔しない、めったにない当たり年。授業のホームルームで「今週の水曜、空を見上げてごらん」と伝えるだけで、英語の授業で扱った meteor という一語が、生徒の一生の思い出につながるかもしれません。寝る時間、少しだけ遅くしてもいい夜です。
—— 原田高志
確認クイズ
-
Q1. meteor と meteorite の違いとして最も正しいものを選びなさい。
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Q2. This road will ______ you to the station. の空所に入る語として最も適切なものはどれか。
よくある質問
「ペルセウス座流星群」は英語でどう言えばよいですか?
the Perseid meteor shower または短く the Perseids です。定冠詞 the をつけ、Perseids は複数形(-s)にするのが慣例。「(毎年やってくる)あの一群」として言及するときの決まった形です。
shooting star と meteor はどう違いますか?
指しているものは同じ、大気圏で燃えている光の筋です。shooting star は日常語で詩的、meteor は科学寄りのフォーマル語。願いをかけるなら shooting star、天文の授業で使うなら meteor——使う場面が違う、というのがいちばん正確な答えです。