やさしい英語で多読!【音声つき】

【やさしい英文de多読!】<8>Australia: A Country Built by Prisoners「囚人たちが築いた国、オーストラリア」~英文を楽しく&音声つきで読もう!~

原田英語マン
原田英語マン
このコーナーは、やさしい英文(CEFR-A2レベル~)で楽しく飽きずに多読できる仕掛けになっています。英語をたくさん読むことは、大学入試はもちろん、英語力アップに欠かせません。特に大学入学共通テストでは長文が多く出題され、速く正確に読む力が重要になります。そこで、1日3~5分で読める英語コンテンツを配信します!学校の行き帰りの短時間で、無理なく英語に触れられます。音声付きなのでリスニング力も鍛えられますよ。内容は、楽しい話題から大学入試によく出るテーマまで幅広くカバー。興味を持ちやすく、自然と英語に慣れていける仕組みです。毎日の積み重ねで、読むスピードも理解力もアップ!気軽に続けて、英語の力を伸ばしましょう!!

Australia: A Country Built by Prisoners

When people think of Australia, they often imagine beautiful nature, cute koalas and kangaroos, and modern cities. But did you know Australia’s history started in a surprising way? In the 18th century, Britain sent around 160,000 prisoners to Australia. They built the country from nothing.

At that time, Britain had many problems. Cities grew quickly, and many people had no jobs and no money. This led to more crimes, like stealing food or clothes. Soon, British prisons became very crowded. Britain decided to send prisoners far away—to Australia.

Why Australia? It was very far, so prisoners could not escape easily. Also, Britain wanted to control this new land and keep other countries, like France, away.

In 1788, the first group of prisoners arrived. Life was difficult. They had to do hard work building roads and houses. But after finishing their prison sentences, many chose to stay and start a new life. They became farmers, workers, and business people.

Today, Australians feel proud of this history. It taught them to be fair and give everyone a chance. Understanding this helps us see Australia in a new way.

<音読用音声>


<Important Words>

★ prisoner : a person who is kept in jail
★ steal : to take something without permission
★ crime : an action against the law
★ escape : to run away from a place
★ control : to have power over something or someone
★ sentence : punishment given by a judge
★ fair : treating everyone equally

<日本語訳>

囚人たちが築いた国、オーストラリア

オーストラリアというと、美しい自然や可愛いコアラ、カンガルー、近代的な都市を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、この国の歴史はとても意外な始まり方をしました。18世紀、イギリスは約16万人もの囚人をオーストラリアに送りました。彼らが国を一から築いたのです。

当時のイギリスは多くの問題を抱えていました。急速な都市化で仕事やお金がない人が増え、食べ物や衣類を盗むような犯罪が増えました。その結果、イギリスの刑務所はいっぱいになりました。そこでイギリスは、囚人を遠いオーストラリアへ送ることにしたのです。

なぜオーストラリアだったのでしょう?それは非常に遠く、囚人が簡単に脱走できなかったからです。また、イギリスはこの新しい土地を支配し、フランスなど他の国の進出を防ぎたかったのです。

1788年、最初の囚人たちが到着しました。生活は厳しく、彼らは道路や家を建設する厳しい労働を強いられました。しかし刑期を終えた後、多くの囚人は残って新しい生活を始めました。農民や労働者、商人となったのです。

今日、オーストラリア人はこの歴史を誇りに思っています。この歴史が「公平さ」や「誰にでもチャンスを与える」という精神を生んだのです。この背景を知ることで、私たちはオーストラリアを新たな視点で見ることができます。

【原田英語コラム】オーストラリアの「囚人アイデンティティ」:過去を誇りに変えた驚きの物語

オーストラリアは「囚人の国」として知られ、18世紀後半にイギリスから約16万人の流刑者が送り込まれた歴史を持っています。驚くことに、現代のオーストラリア人はこの過去を恥じず、誇りに変え、ユニークなアイデンティティとして輝かせています。

 「元囚人」が自慢!家系探しのブーム
オーストラリアでは、自分の先祖が囚人だったかを調べる「ルーツ探し」が大人気。「うちの先祖はパン泥棒!」とパブで自慢する人もいれば、SNSで「#ConvictAncestry」をつけて投稿する人も。「名門」より「囚人魂」がカッコいいという、なんとも豪快な文化です。

囚人遺跡は観光名所!ツアーも大人気
シドニーやホバートの古い刑務所は、今やユネスコ世界遺産にも登録される観光スポット。「囚人ウォーキングツアー」では、過酷な流刑生活や脱獄劇をガイドがユーモラスに紹介し、家族連れから歴史好きまで連日大盛況。夜のゴーストツアーや「囚人の日」パレードまであり、過去をエンタメに変える大胆さが光ります。

囚人魂が生んだ「平等」と「セカンドチャンス」
囚人たちの「ゼロから這い上がる」精神は、オーストラリアの「平等」「セカンドチャンス」という価値観の礎に。過去を詮索せず、今の努力で判断する文化は、囚人子孫の誇りから生まれました。「マテシップ(仲間意識)」も、このタフな歴史の遺産です。

過去を力に変える教訓
オーストラリアは、暗い歴史を笑いと誇りに変えました。失敗や傷を「今の自分を形作った一部」と受け入れるその姿勢は、誰もが学べる力強いメッセージです。シドニーの街を歩くとき、囚人たちの不屈の魂を感じてみませんか?

*豆知識*:オーストラリアの国章に描かれるエミューとカンガルーは、後ろに進めない動物。「常に前進」の囚人魂を象徴しています!