
「痛いの痛いの、飛んでいけー!」「どちらにしようかな、神様の言う通り…」
あなたが子供の頃から、何気なく口ずさんできたその言葉。実は、とんでもない歴史を持つ“古代の魔法”だったとしたら…?
「まさか、ただの気休めでしょ?」
そう思ったあなた、この記事を読み終える頃には、その考えが180度変わることをお約束します。世界に散らばる魔法の言葉は、国家の運命や恐ろしい伝説、そして科学さえも巻き込む、壮大な物語を秘めているのです。
さあ、日常に隠された魔法の扉を開きましょう。あなたの世界が、今日から少しだけ違って見えるはずです。
✅ この記事で絶対に知ってほしいこと
- 「アブラカダブラ」が“死の呪文”の元ネタになった本当の理由
- 「痛いの痛いの飛んでいけ」が科学的にもマジで効くという衝撃の事実
- 「どちらにしようかな」の海外版と、その恐ろしすぎる起源
- 幸運を引き寄せる、明日から使える世界のポジティブ呪文
🧙♂️ レベルMAX!世界を動かした王道の魔法呪文
まずは、ファンタジーの世界でお馴染みの、あの呪文たちの“本当の姿”から。
アブラカダブラ (Abracadabra) – 疫病を祓う魔法陣
「最強の呪文」と聞けば、多くの人がこの言葉を思い浮かべるでしょう。実はこの呪文、もともとは古代ローマ時代に疫病(特にマラリア)を治療するための強力な護符でした。
当時の医師セレヌス・サンモニクスが記した書物によると、この言葉を羊皮紙に逆三角形になるよう書き記し、首から下げることで、病が少しずつ消えていくと信じられていました。
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この形には「病を縮小させ、無に帰す」という願いが込められていたのです。ちなみに、かの有名な『ハリー・ポッター』に登場する許されざる呪文「アバダ・ケダブラ(Avada Kedavra)」は、このアブラカダブラが語源の一つ。本来は人々を救うための言葉が、創作の世界で死の呪文として生まれ変わったのは、なんとも皮肉な話です。
開けゴマ (Open Sesame) – 宝の洞窟を開く魔法の言葉
物語の世界で最も有名な呪文の一つ、「開けゴマ」。これは『千夜一夜物語(アラビアンナイト)』の物語「アリババと40人の盗賊」で、盗賊たちが宝を隠した岩の洞窟を開けるための合言葉です。
では、なぜ「ゴマ」なのでしょうか? 最も有力な説は、乾燥したゴマの莢(さや)が熟すと、パッと弾けて中の種を勢いよく飛ばす様子から、「閉じたものが勢いよく開く」というイメージに繋がったというものです。このシンプルな言葉が、巨万の富への扉を開く鍵となるのです。
この物語のおかげで、「開けゴマ」は単なる呪文を超え、現代では「何かを達成するための秘密の鍵」や「困難な状況を突破するための切り札」といった比喩表現としても広く使われています。
ホーカス・ポーカス (Hocus Pocus) – 聖職者をディスる言葉だった!?
手品師が観客の注目を集めるために使う、陽気なこの呪文。その起源は驚くほど不真面目かもしれません。
最も有力な説は、カトリック教会のミサで使われるラテン語の祈り「Hoc est corpus meum(これぞ我が身体なり)」を、わざと聞き間違えたフリをして揶揄した言葉だというもの。宗教改革が盛んだった17世紀のヨーロッパで、厳格な儀式を茶化すために生まれたスラングが、いつしか奇術の呪文として定着したのです。神聖な祈りが、エンタメの掛け声になるなんて、言葉の歴史は本当に面白いですね。
🙏 日本の日常に潜む「言霊」の魔法
海外だけではありません。私たちの日常にも、知られざるパワーを秘めた言葉が溢れています。
痛いの痛いの、飛んでいけ – 愛情という名の最強プラセボ効果
子供が転んで膝をすりむいた時、お母さんが優しくさすりながら唱えるこの言葉。実はこれ、科学的にも絶大な効果が証明されているのです。
人の脳は、信頼する人から「大丈夫だ」と言われると、痛みを和らげる脳内物質(エンドルフィンなど)を分泌することがあります。これをプラセボ効果と呼びます。さらに、「手でさする(手当て)」という行為そのものが、触覚を通じて安心感を与え、痛みの信号を脳に伝わりにくくするのです。
つまり「痛いの痛いの飛んでいけ」は、愛情と信頼が生み出す、科学に裏付けられた“癒しの魔法”なのです。世界にも「Kiss it better(キスして治してあげる)」という、よく似たおまじないがあります。愛情が痛みを和らげるのは、世界共通の真理なのですね。
ちちんぷいぷい – 将軍様をあやすための言葉?
もう一つの癒しの呪文「ちちんぷいぷい」。その語源は謎に包まれていますが、江戸幕府三代将軍・徳川家光の乳母であった春日局に由来するという説が有名です。
彼女が幼い家光をあやすため「知仁武勇(ちじんぶゆう)は御代の御宝」と唱えたのが始まりだとか。これが時を経て「ちちんぷいぷい」に変化したというのです。真偽は定かではありませんが、国のトップを育てた言葉が、今も子供たちを癒していると考えると、なんだか壮大な気持ちになりますね。
👉 あなたはどれを選ぶ?世界“選択”の数え歌
「どちらにしようかな…」この何気ないフレーズにも、世界中に仲間がいます。そして、その中にはちょっと怖い歴史を持つものも…。
どちらにしようかな、神様の言う通り…
日本ではお馴染みのこのフレーズ。地域によって「鉄砲撃ってバンバンバン」「柿の種」など、様々な続きがありますよね。これは、自分の判断では決めきれないことを、人知を超えた存在(神様)に委ねるという、日本人の精神性が表れたおまじないと言えます。
Eeny, meeny, miny, moe(イーニー・ミーニー・マイニー・モー) – 海外版“神様の言う通り”の黒い歴史
英語圏で最もポピュラーな選択の歌がこれです。「Eeny, meeny, miny, moe, Catch a tiger by the toe.(トラのつま先を捕まえろ)」と続きます。
しかし、この歌には非常に暗い過去があります。もともと「tiger」の部分は、アフリカ系の人々に対する差別的な単語だったのです。南北戦争以前のアメリカで使われていたバージョンが、時代とともに不適切とされ、現在の「tiger」に置き換えられました。
何気ない子供の遊び歌に、人種差別の痛ましい歴史が刻まれている。この事実は、言葉が持つ光と影の側面を私たちに教えてくれます。
✨ 明日から使える!世界の幸運を呼ぶおまじない
最後に、あなたの日常を少しハッピーにする、世界で使われている幸運のおまじないをご紹介!
Knock on wood(木を叩け!)
欧米で広く使われるおまじない。「いいことがあった時」や「悪いことが起きないように」と願いながら、テーブルや木の幹をコンコンと叩きます。これは、古来より木には精霊が宿ると信じられていたことに由来します。
Bless you!(あなたに祝福を!)
誰かがくしゃみをした時にかける言葉。中世ヨーロッパで「くしゃみをすると魂が抜ける」「悪魔が入り込む」と信じられていたため、「神のご加護を」と祈る習慣が生まれたのです。
<まとめ>あなたの言葉が、世界を変える魔法になる
「開けゴマ!」から「痛いの痛いの飛んでいけ」まで、世界のおまじないを巡る旅、いかがでしたか?
単なる言い伝えや迷信に見える言葉の一つ一つに、人々が病を乗り越え、不安を和らげ、未来を選んできた、壮大な歴史と知恵が詰まっていました。
言葉は、単なる音の記号ではありません。
私たちの信じる心や誰かを想う気持ちが吹き込まれた時、それは時に科学を超え、人の心を動かす本物の“魔法”に変わるのです。
今日から、あなたが発する言葉を少しだけ意識してみてください。
励ましの言葉、感謝の言葉、そして優しいおまじない。その一言が、あなた自身や、あなたの周りの誰かにとって、世界で一番強力な魔法になるかもしれませんよ!