原田英語ジャーナル

【英語学習×投資家思考】ウォーレン・バフェットの師ベンジャミン・グレアムが教える「成果を出す人の3原則」

英語学習で「努力しているのに成果が出ない…」と悩んでいませんか?
実はその原因、「勉強法」ではなく「思考法」にあります。

ウォーレン・バフェットの師であり、『賢明なる投資家』の著者ベンジャミン・グレアムが残した名言があります。

「投資は最もビジネスライクなときに最も賢明である。」

この一文は、投資だけでなく英語学習にも100%応用できる真理です。
つまり──
英語学習はギャンブルではなく“事業”である。

英語学習を「事業」として考えるとは?

多くの人は英語を「気合い」や「根性」で乗り越えようとします。
でも、それは経営で言えば「勘と運で会社を回している」のと同じです。
一時的には勢いで進めても、長期的には必ず崩れます。

一方、成果を出す人は「投資家のように」学習を設計しています。
感情ではなく、戦略と検証で動く。
彼らは学習を“経営”として扱っているのです。

グレアムが説いた「賢明なる投資家の3原則」を英語学習に応用する

ここからが本題です。ベンジャミン・グレアムが提唱した3原則を、英語学習に置き換えると──

① Know your business ― 「自分が何をしているかを理解せよ」

多くの人は教材を買い、アプリを開き、YouTubeを見ます。
でも、「それが何のスキルを鍛えているか」を理解している人は少ない。
それでは、学習が“作業”になってしまいます。

例えば「単語帳をやる」は、何を目的にしていますか?
語彙力アップ?読解スピード向上?TOEIC対策?
目的を定義しないまま進めるのは、ビジネスで言えば「市場を知らずに製品を作る」ようなものです。

勉強を始める前に、「この行動は何を鍛えているのか?」と問う。
それが、賢明な学習の第一歩です。

② Don’t let others run your business ― 「他人任せにするな」

SNSで「この教材が最強!」と聞くたびに飛びつく。
これはまさに、“他人に経営を任せている”状態です。

確かに参考情報は大事ですが、最後の意思決定は自分自身で
自分のレベル・目的・性格に合わない方法を続けても、結果は出ません。

あなたの英語学習のCEOは、あなた自身です。

③ Don’t enter without calculation ― 「計算なしに始めるな」

「毎日30分」「なんとなく1時間」──これが失敗の典型。
努力の“感覚値”ではなく、数値で成果を追いましょう。

たとえば:

  • 毎日のインプット量(語数・リスニング時間)
  • テストスコアの推移
  • 理解できる英文の難易度

これらを定点観測するだけで、学習は劇的に改善します。

経営における「財務諸表」があるように、
学習にも「成長の指標」が必要なのです。

成果を出す人は「英語を経営している」

伸びない人は、英語を「運」に任せている。
伸びる人は、英語を「経営」している。

彼らが実践しているのはシンプルな3つのサイクル。

★ 目的を明確にし
★ 投資(時間・集中)を最適化し
★ 成果を検証する

この3つを“冷静に回し続ける”ことこそ、
再現性のある英語上達の唯一の方法です。

気合いで続かないなら、仕組みで勝てばいい。
思考法を変えた瞬間、あなたの努力は資産に変わります。

参考:元ネタとなったグレアムの原文(超訳付き)

https://x.com/xKnowledgeBANK/status/1976378738121244905

以下は、ツイートに添付されていた『The Intelligent Investor』の該当ページの内容をわかりやすく意訳したものです。

原文タイトル:To Sum Up

投資が最も賢明なのは、それが最もビジネスライクなときである。
驚くべきことに、多くの有能なビジネスマンが、
自分の事業で成功した原則を無視してウォール街に挑もうとする。

あらゆる証券投資は、まず「特定の企業への所有権または債権」として見るべきであり、
もし誰かが売買で利益を得ようとするなら、それは一種の“ビジネス”を始めることと同じである。
したがって、そのビジネスを成功させるには、健全な経営原則に従う必要がある。

1. Know your business

自分のやっていることを理解せよ。
普通の利子や配当を超える利益を求めてはいけない。
その投資対象について、製造業であれば商品を理解するのと同じレベルで理解していなければならない。

2. Don’t let others run your business

自分のビジネスを他人に任せるな。
監督できないなら、自分が心から信頼できる人以外に任せてはいけない。
これは、投資において「誰に運用を任せるか」を決める最も重要な原則だ。

3. Don’t enter without calculation

計算なしに事業を始めてはいけない。
合理的な見積もりがあって初めて、適正な利益が見込める。
特に「失うリスクの大きい事業」には近づくな。
利益を算数で判断せよ──感情ではなく。

──つまり、グレアムが投資で語った原理は、英語学習でもそのまま通用する。
「努力」ではなく「設計」で勝つ。それが“賢明なる学習者”の思考法です。

【全訳】

投資というものは、最もビジネス的に行われる時にこそ、最も賢明なものとなる。ウォール街で、多くの有能なビジネスマンたちが、自分自身の事業では成功を収めるために用いているはずの健全な原則を完全に無視して投資を行っている様子を見るのは、実に驚くべきことである。しかし、あらゆる企業証券は、何よりもまず、特定の事業会社における所有権の持ち分、あるいはその会社に対する債権として見ることができる。そして、証券の売買によって利益を上げようとする者は、受け入れられたビジネス原則に従って運営されなければならない、自分自身の事業を営んでいるのである。その成功の可能性も、この原則に従うかどうかにかかっている。

これらの原則のうち、最初で最も明白なものは、**「自分が何をしているのかを知れ――自分のビジネスを知れ」**というものである。投資家にとってこれが意味するのは、証券から「ビジネス的な」利益――つまり、通常の利息や配当収入を超える利益――を得ようとすべきではないということだ。ただし例外がある。それは、あなたが製造業や商取引の価値について知る必要があるのと同じくらい、証券の価値についてよく知っている場合である。

第二のビジネス原則:「他人に自分のビジネスを任せるな。ただし次の場合は除く。(1)その人物の業績を適切に監督できる能力と理解力を自分が持っている場合、または(2)その人物の誠実さと能力を無条件に信頼できる、非常に強い理由がある場合」 投資家にとってこれが意味するのは、自分が最終的に判断を下せない状況では、他人に自分のお金の使い道を決めさせてはならないということである。

第三のビジネス原則:「ある事業に手を出すな――つまり、製造や商取引に乗り出すな――確実な計算によって、それが妥当な利益をもたらす適正な見込みがあることが示されない限り」 特に、得るものはわずかで失うものは莫大であるような事業には決して手を出すな。投資家にとってこれが意味するのは、利益を目指す投資活動は、楽観的な期待ではなく計算に基づくべきだということである。すべての投資家にとって、少なくともこれが意味するのは、伝統的な社債や優先株を組み入れる際には――自分の元本の相当部分をリスクにさらしていないという、確固たる証拠を求めなければならないということだ。