英検1級ライティング

【英検1級要約問題対策講座<2>】英検1級<リニューアル>要約問題解き方&攻略法、サンプル予想問題集&自己採点生成AI(ChatGPTやGemini等)プロンプト #2

原田英語マン
原田英語マン
2024年度第1回の英検から、1級のライティングセクションに新たに「要約問題」が追加されます。巷にはまだ対策本や問題集がないため「どのように対策すればいいのかわからない!」「問題集は何を使えばいいの?」と嘆いている方も多いと思います!そこで、このコーナーでは、2024年度第1回から英検1級の新形式として登場する要約問題の解き方やサンプル予想問題と、その問題を自己採点するために使える生成AIプロンプトを掲載します。第2回目は作成した第1回目のコーナーでご紹介したサンプル問題を実際に解いたあと、自己採点をしてくれる生成AIプロンプトについてまとめていきます!

さっそく、第1回目で作成したサンプル問題を自己採点するためのプロンプトをご紹介しましょう!

あなたは英検1級(CEFRのC1レベル)の要約問題採点スペシャリストです。以下の条件に基づいて、【要約問題】の【解答】を採点してもらいます。

その際”日本語”で、

【1】32点中何点か?その際、次の4観点を総合して点数をつけてください。
・観点1:内容 (0点~8点)
課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由)が含まれているかどうか
・観点2:構成 (0点~8点)
英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
・観点3:語彙 (0点~8点)
課題に相応しい語彙を正しく使えているか
CEFRのC1レベル(B2レベル以上)の語彙を正しく使えているか
・観点4:文法 (0点~8点)
文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか
・合計点:32点満点中何点か?

各項目すべてに次の条件も入れてください。
★問題の英文をそのまま使用するのではなく、パラフレーズする。
★具体例を抽象化してまとめる。
★Poyang Lakeといった固有名詞は入れずに、パラフレーズして書く。

【2】文法のミスを指摘し、正しく直してください。

【3】内容的な改善点はどこか。ポイントをまとめてください。

【4】【解答】のミスを直して、【解答】を正しく書き換えた要約文を作成してください。その際、英文はおよそ90-110 words(ninety words to one hundred and ten words)で書いてください。

【5】要約問題の模範解答となるモデルアンサー英文を1つ作成してください。その際、英文はおよそ90-110 words(ninety words to one hundred and ten words)で書いてください。また、以下の要約の手順を参考にして要約を作成してください。

要約の手順はこちらです。
1️. 主張の特定:論文全体から筆者の主張を見つけ出し、それを中心に要約を組み立てる。
2️. 具体的な用語の抽象化:具体的な用語や固有名詞を一般的な表現に置き換える。
例:‘~湖、~川’ ➡️ ‘水源’
3️. 論理性の構築:因果関係を考慮し、本文と同じ論理的な構造を保つ。
4️.冗長部分の排除:冗長な情報や繰り返しを削除し、本質的な情報に焦点を当てる。
5️. 完結性の確認:要約文だけを読んでも、筆者の主張が伝わるか確認する。

【6】合格に向けたアドバイスを最後につけてください。

以上よろしくお願いします!

【要約問題】

~ここにサンプル問題をコピペする~

【解答】

~ここに自分の答えをコピペする~

以上です。では、英検協会から出ているサンプル問題とその解答を上のプロンプトに貼り付けて、実際に生成AIを使用してどのような結果が抽出されたか、以下に掲載します。生成AIはChatGPT-4を使用しています。

【1】採点

内容 (5点/8点):解答は水域からの砂の採掘とその都市開発への利用、さらに生態系への影響といった主要な情報を含んでいますが、ポヤン湖や特定の地域の言及がなく、具体的な例やその結果も不足しています。
構成 (6点/8点):解答は論理的であり、一般的な問題からその結果、さらには対応策へと流れていますが、より具体的な事例や結果の説明が不足しているため完全ではありません。
語彙 (6点/8点):C1レベルに相応しい語彙が使用されており、適切な専門用語も見られますが、より多様な表現や高度な語彙の使用が望まれます。
文法 (7点/8点):文法的にはほぼ正確ですが、より複雑な文構造の使用やバリエーションを増やすことで改善できます。
合計点:24点/32点

【2】文法のミスと訂正

文法的な大きなミスは見受けられませんが、より流暢な英文にするためには、より複雑な文構造や時制の正確な使用が推奨されます。例えば、”Sand is being mined”は正確ですが、”Sand mining is occurring”などの受動態を避ける表現に変更することで、文が活発になります。

【3】内容的な改善点

具体例の追加: ポヤン湖やシンガポールなど、具体的な地名や例を抽象化せずに、その影響や結果を詳細に説明すること。
影響の具体化: 生態系への影響を抽象的な記述ではなく、具体的な結果や数字を用いて説明すること。
対策の掘り下げ: 単に法律の制定を述べるのではなく、その効果や限界、または代替策についても触れること。

【4】【解答】の書き換え

Worldwide, water bodies are being exploited for sand to support urban development. This extraction, though beneficial for construction and expansion, poses significant risks to ecosystems, threatening aquatic life and destabilizing environments. Recognizing these adverse effects, some nations have implemented bans on sand exports to protect their natural habitats. However, these bans often result in shifting the burden of extraction to new locations, illustrating the complexity of addressing the environmental impacts of sand mining. The challenge remains in finding sustainable solutions that balance developmental needs with ecological preservation.

【5】模範解答

The extraction of sand from aquatic environments is a global phenomenon driven by the demands of urbanization. This practice, while supporting construction projects, significantly disrupts ecosystems, affecting both flora and fauna. The removal of sand not only alters habitats but also jeopardizes water quality and availability, posing threats to biodiversity. In response, several countries have enacted export bans to mitigate environmental damage, highlighting the international recognition of the issue. Despite these measures, the problem of sand mining persists, as restrictions in one area often lead to increased extraction elsewhere. Sustainable management and international cooperation are crucial to address the ecological consequences of sand mining, ensuring the protection of natural resources and biodiversity.

【6】合格に向けたアドバイス

具体性の向上: 解答では、具体的な事例や数字を用いて、主張を補強することが重要です。これにより、読者は問題の規模と影響をより深く理解できます。
文法と語彙の多様化: より高度な語彙と文構造を使用することで、表現の豊かさと正確さを高めることができます。
総合的な分析: 問題の原因、影響、そして解決策を総合的に分析し、その相互関係を明確に示すことで、より説得力のある要約を作成してください。

以上のように生成されます。英検協会から出ている解答を32点中24点とするとは、なかなか手ごわいですね(汗)。ちなみに、生成する過程では、修正した解答文やモデルアンサーの文字数が指定語数と大きく異なる場合もよくあるのですが、その際は、たとえば
「模範解答の語数が指定語数の90-110語ではありません。書き直してください」
と書けば
「すいません、再度作成します」
と礼儀正しく書き直してくれます^^;また、要約のモデルアンサーが難しすぎる場合は、「もう少し簡単な要約に直してください」「Howeverやsuch asを使用してください」と書けば対応してくれます。(最もCEFR-C1レベルの要約をお願いしているわけなので、ある程度難易度が高い解答もしかたないですが・・・)

もちろん、この方法で作成する英検1級の要約問題の採点は、実際の問題や解答と異なるかもしれません。しかし、題材が何もなく、何をすれば良いのか分からないのであれば、とても価値のあるサンプル問題として役立つこと間違いなしです!