環境・気候・エネルギー
原発・炭素税・EV。賛否を英語で語れるように

猛暑や豪雨が毎年のニュースに。エネルギー・脱炭素・個人の行動か政策か、など賛否型の英作文にぴったり。
気候変動とは、気温や降水量などの長期的な変化のことです。現在とくに問題になっているのは、石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料を燃やすことで出る二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが増え、地球の平均気温が上がる地球温暖化です。2015年に採択されたパリ協定では、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2度より十分低く保ち、1.5度に抑える努力をすることが国際的な目標になりました。対策は大きく二つに分けられます。温室効果ガスを減らす「緩和(mitigation)」と、暑さや洪水などの被害に備える「適応(adaptation)」です。エネルギーの面では、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの拡大、省エネ、原子力の扱いが議論されます。また、排出量から吸収量を差し引いて実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目標に掲げる国も増えました。一方で、先進国と途上国の責任の分担、経済成長との両立、電気料金や雇用への影響など、意見が分かれる点も多くあります。入試では、こうした対立点を整理しながら読む力が問われます。
環境問題は、国や世代を超えて誰にでも関わる話題です。だからこそ長文でも、リスニングでも、英作文・小論文のお題でも扱いやすく、入試で目にする機会の多いテーマになっています。科学的な事実と、社会や経済の利害が交差するので、「何が問題で、誰が困り、どう解決するか」という論理の流れを追う練習にもぴったりです。賛成と反対がはっきり分かれる論点が多く、自分の意見を理由つきで書く力も試しやすい。語彙も emission や sustainable のように他の分野で使える語が多く、覚えて損はありません。
長文読解:気候変動の原因と影響、再生可能エネルギーの利点と課題、環境保護と経済成長の両立などを扱う文章が出やすいです。「対策Aは有効だが課題もある」という対比の流れをつかむ練習になります。
リスニング:省エネの呼びかけ、リサイクルの新しい取り組み、ごみ削減の講義などが出やすいです。とくに数字や割合の聞き取りが鍵になるので、原因と結果を表す表現とあわせて慣れておくと有利です。
自由英作文・小論文:「環境のために個人ができること」「レジ袋の有料化や環境税に賛成か反対か」といった意見型の設問が想定されます。理由と具体例をセットで書く型を用意しておきましょう。
| # | 英語 | 意味 | # | 英語 | 意味 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | emission | 13 | pollutant | ||
| 2 | greenhouse gas | 14 | conserve | ||
| 3 | fossil fuel | 15 | ecosystem | ||
| 4 | renewable | 16 | offset | ||
| 5 | sustainable | 17 | consumption | ||
| 6 | mitigation | 18 | habitat | ||
| 7 | adaptation | 19 | incentive | ||
| 8 | carbon footprint | 20 | generate | ||
| 9 | deforestation | 21 | deplete | ||
| 10 | biodiversity | 22 | vulnerable | ||
| 11 | drought | 23 | phase out | ||
| 12 | glacier | 24 | regulation |
| # | 日本語 | 英語 | # | 日本語 | 英語 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 再生可能な | 13 | 相殺する、埋め合わせる | ||
| 2 | 干ばつ | 14 | 段階的に廃止する | ||
| 3 | 生息地 | 15 | 緩和(排出削減など) | ||
| 4 | 排出、排出量 | 16 | 汚染物質 | ||
| 5 | カーボンフットプリント(活動が生む排出量) | 17 | (電気などを)生み出す | ||
| 6 | 生態系 | 18 | 化石燃料 | ||
| 7 | 被害を受けやすい、弱い | 19 | 生物多様性 | ||
| 8 | 持続可能な | 20 | 消費(量) | ||
| 9 | 氷河 | 21 | 規制 | ||
| 10 | 動機づけ、優遇措置 | 22 | 適応 | ||
| 11 | 温室効果ガス | 23 | 節約する、保全する | ||
| 12 | 森林破壊 | 24 | 使い果たす、枯渇させる |

必要なら形を変えよう(複数形・過去形など)。下の和訳がヒント。
英作文・スピーキングでそのまま使える表現です。このテーマについて、表現を使った英文を書こう。
・問題→原因→解決策→課題。まず現状の問題を示し、原因を説明し、対策を挙げたうえで、最後に「しかし残る課題」で締めるのが定番です。
・一見よいが、実は課題あり。再生可能エネルギーや電気自動車を紹介しつつ、「天候への依存」「電池の製造」など見落とされがちな面を指摘する展開がよく出ます。
・短期の利益 対 長期の利益。今の便利さや経済的な得と、将来世代への影響を対比させ、長期的な視点の大切さを訴える流れです。
・個人 対 社会。個人の努力の重要性を述べたあとで、制度や国際協力が必要だと広げ、視点を大きくして結論に向かう展開です。具体例をそえると説得力が増します。
| 論点 | 賛成側の理由 | 反対側の理由 |
|---|---|---|
| 原子力発電を続けるべきか | ||
| 環境税・炭素税の導入 | ||
| レジ袋・使い捨て容器の規制 |
3・4 単語24
- emission 排出、排出量
- greenhouse gas 温室効果ガス
- fossil fuel 化石燃料
- renewable 再生可能な
- sustainable 持続可能な
- mitigation 緩和(排出削減など)
- adaptation 適応
- carbon footprint カーボンフットプリント(活動が生む排出量)
- deforestation 森林破壊
- biodiversity 生物多様性
- drought 干ばつ
- glacier 氷河
- pollutant 汚染物質
- conserve 節約する、保全する
- ecosystem 生態系
- offset 相殺する、埋め合わせる
- consumption 消費(量)
- habitat 生息地
- incentive 動機づけ、優遇措置
- generate (電気などを)生み出す
- deplete 使い果たす、枯渇させる
- vulnerable 被害を受けやすい、弱い
- phase out 段階的に廃止する
- regulation 規制
5 穴埋め
- ecosystem
- habitat
- pollutant
- deplete
- carbon footprint
- drought
- phase out
- consumption
- conserve
- regulations
- glaciers
- generate
6 和訳
- 私たちはもっと持続可能な暮らし方を必要としています。
- 石炭と石油は代表的な化石燃料です。
- 木を植えることで、排出の一部を相殺できます。
- 自動車は炭素排出の大きな原因のひとつです。
8 論点の例
原子力発電を続けるべきか
賛成:運転中にCO2をほとんど出さず、天候に左右されずに安定して発電できます。気候変動対策として、有力な選択肢のひとつになるという主張です。
反対:事故が起きた場合の被害が大きく、使用済み燃料の処分の問題も残ります。安全性と費用の面から、再生可能エネルギーを優先すべきだという主張です。
環境税・炭素税の導入
賛成:排出に値段がつくので、企業も個人も排出を減らそうとします。税収を省エネや再生可能エネルギーの支援に回せるのも利点だという主張です。
反対:生活費や生産コストが上がり、所得の低い人ほど負担が重くなります。企業が規制の緩い国へ移り、排出が国外に移るだけになる恐れもあるという主張です。
レジ袋・使い捨て容器の規制
賛成:ごみやプラスチック汚染を減らし、環境への意識を高める第一歩になります。毎日の買い物という身近な場面だからこそ、行動を変えるきっかけになるという主張です。
反対:全体のごみ量に占める割合は小さく、効果が限られます。代替品の製造にも環境負荷があるので、象徴的な対策にすぎないという主張です。
電気自動車への移行
賛成:走行中に排気ガスを出さないので、都市の大気汚染を減らせます。再生可能エネルギーでつくった電気と組み合わせれば、大きな削減効果が期待できるという主張です。
反対:電池の製造や、火力発電に頼った電気では環境負荷が残ります。車両価格の高さや充電設備の不足もあり、急な移行は難しいという主張です。
途上国にも同じ削減を求めるか
賛成:世界全体で排出を減らさなければ、目標は達成できません。排出が急増している新興国にも、応分の役割を果たしてもらう必要があるという主張です。
反対:これまで多く排出してきたのは先進国です。途上国が発展する権利を尊重し、先進国が資金や技術で支えるのが公平だという主張です。
個人の行動か、政策か
賛成:節電や食品ロスの削減など、一人ひとりの選択は積み重なれば大きな力になります。消費者が選ぶ商品が変われば、企業の行動も変わるという主張です。
反対:排出の多くは産業や発電から出ており、個人の努力だけでは足りません。法律や制度で仕組みそのものを変えるほうが先だという主張です。
9 英作文の採点基準(10点)
- 内容(立場が明確・問いに答えている)3点
- 理由2つが具体的で、立場を支えている 3点
- 構成(P→R→R→P、つなぎ言葉)2点
- 英語の正確さ・語数(80〜100語)2点
先生・自習のヒント
観る前に、タイトルから「どんな問題に、どんな解決策を出すか」を1分で予想しましょう。日本語字幕では「問題・原因・解決策」の流れをつかみ、英語字幕では emission や renewable など、このページの語が入った表現を3つメモします。数字を挙げる場面など好きな30秒をまねたら、最後に The speaker argues that ... で始めて、英語で1〜3文書いてみましょう。
関連トーク(TED HACKS で観られます)
- 捨てたプラスチックは、その後どこへ行く?(TED-Ed・4:07)
- サハラ砂漠を太陽光パネルで埋めたらどうなる?(TED-Ed・5:25)
- 木を植えれば、気候変動と戦えるのか(TED-Ed・5:44)
- 生き物の種類が多いと、なぜ地球は安心なのか(TED-Ed・4:19)
予想長文
- Do Small Choices Matter?(315語)
- The Problem of Distant Benefits(439語)