次期学習指導要領 校種別ガイド小学校
小学校版
審議まとめ(2026年10月5日)を小学校の先生向けに

小学校の先生のための次期学習指導要領ガイド

時間割を学校で工夫でき、総合に「情報」が加わる方向です。

たとえると

たとえるなら、栄養の基準は守ったまま、量や順番を学校で調整できる給食に変わるようなものです。教える内容(栄養)はそのままに、時間の使い方を学校が工夫できるようにする、というイメージです。

小学校はいつから?

全面実施2030年度(令和12年度)から(見込み)
移行期間2028〜2029年度
告示2026年度末の予定
教科書2030年度から新しい教科書(2028年度に検定)
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研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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小学校の大きな変化

授業時数を学校で調整できる

教科の内容はすべて扱う前提で、標準の授業時数より少なく計画できる仕組みの案です(調整授業時数制度)。生まれた時間は、ほかの教科への上乗せ、学校独自の教科、学び直しや先生の研修の時間に回せます。減らせる幅は教科ごとに最大15%程度が想定されています。すべての教科を上限まで減らした場合、5年生の試算で1年間に最大138コマ程度です。国への申請はいらない方向です。 P31P32P37P38

いままで年度の初めに、各教科の標準授業時数を必ず確保して時間割を組んでいます。
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これから(方向)標準を下回って計画し、生まれた時間を学校の判断で使える方向です。

総合に「情報の領域」

いまの小学校には、情報を学ぶ教科や決まった時間がありません。そのため学校ごとの差が大きいとされました。次期は、総合的な探究の時間に「情報の領域」を加え、体験しながら情報技術を使う力を育てる方向です。時間は3・4年が各学年最大30コマ程度、5・6年が各学年最大35コマ程度とされています。ローマ字の学習は今までどおり3年の国語で行い、ローマ字入力によるタイピングは、こちらを中心に学ぶ方向です。 P60P72P74P78P140

いままで情報の学習は各教科や総合の中で扱い、決まった時間はありません。
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これから(方向)総合を「探究の領域」と「情報の領域」の2つで組み立てる方向です。

学年は「◯学年相当」に

いまは「習っていない漢字は使ってはいけない」といった指導が生まれることがあると指摘されました。次期は、学年別の目標を定めない方向です。学年を示すときも「◯学年相当」という書き方にします。その学年に縛られず、子供に合わせて計画できることをはっきりさせるねらいです。 P18

いままで学年ごとの書き方から「上の学年の内容は扱えない」という思い込みがあります。
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これから(方向)「◯学年相当」と書き、学年に縛られない計画ができると示す方向です。

態度のABC評価をやめる方向

「主体的に学習に取り組む態度」をABCで評価するやり方は、ノートの提出回数のような形だけの評価になりがちでした。次期は、この力を所見欄で一人一人の伸びとして書く形(個人内評価)にする案です。思考・判断・表現の評価の中で、良い姿が続けて見られたら「◯」を書き添えます。小学校で多い業者の単元テストに頼った評価も見直す方向です。 P62P63P64

いままで教科ごとに3つの観点をABCで評価し、単元テストに頼る例が多いです。
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これから(方向)学びに向かう力は所見で書き、思考・判断・表現に「◯」を添える方向です。

年間40週・週28コマへ

いまの「年間35週以上」という書き方から、時数を35週で割って週29コマにする習慣が根強いとされました。次期は「年間40週を標準」とする書き方に改める方向です。40週で計画すれば、週28コマにしやすくなります。1〜3年生についても、標準を大きく上回る時数の目安が国の通知で示され、見直しが促されています。 P39P55P56

いままで年間35週以上で計画し、週29コマにする学校が多い状態です。
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これから(方向)年間40週を標準とし、週28コマなどへのならし(平準化)を進める方向です。

総合の名前と探究の形

小学校の「総合的な学習の時間」は、高校と同じ「総合的な探究の時間」に名前をそろえる方向です。クラス共通のテーマで取り組む「テーマ探究」と、子供が自分の「好き」から問いを立てる「マイ探究」をバランスよく組み合わせます。調べる・行動するだけでなく、作品をつくる「創作系」の探究も示されています。 P11P76P77

いままで名前は「総合的な学習の時間」で、学校が決めたテーマに子供を当てはめる例もあります。
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これから(方向)「総合的な探究の時間」になり、テーマ探究とマイ探究を組み合わせる方向です。

外国語は中学校へなめらかに

3・4年の外国語活動は、音声で英語に慣れ親しむ時間です。そこから、読む・書くを含む5・6年の外国語科へ、なめらかにつなぐ指導を具体的に示す方向です。5・6年では、日本語と英語の語順の違いに気付かせる指導も挙げられています。国は、重要な語彙をまとめた「基盤語彙リスト」を作る方向です。 P61P281P283

いままで活動や話題の難しさが、小学校から中学校へうまくつながらない面があります。
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これから(方向)話題や活動を段階的に高め、学年段階の目安とともに示す方向です。

体育は「動き」を軸に

体育では、4年生までは具体的な運動の種類を示すやり方を改める方向です。かわりに、どんな「動き」ができるようになってほしいかを軸に示します。たくさんの運動を全部やる負担を減らすねらいです。各領域は、2年間のまとまりで計画的に学ぶことを基本にするとされています。 P61

いままで低・中学年でも、具体的な運動の種類が示されています。
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これから(方向)4年生までは、身に付けたい「動き」を軸に示す方向です。

変わらないこと

3つの力の柱で育てる

知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等という3つの柱で力を育てる考え方は続きます。次期は、その示し方を、力のつながりが見えるように整理し直す方向です。 P7P13P16

主体的・対話的で深い学び

「主体的・対話的で深い学び」を目指す授業改善は、これからも中心です。次期は、とくに「深い学び」の姿を先生がつかみやすくし、どの学校でも実際に行えるようにすることを目指しています。 P7

1年間の授業時間の合計

1年間の授業時間の合計(標準総授業時数)は、いまより増やさない前提です。新しい「情報の領域」の時間は、3年生以上の各教科から少しずつ減らして生み出す考え方です。 P78P79

教える内容は全部扱う

調整授業時数制度で時間を減らす場合も、学習指導要領に示す内容はすべて扱うことが前提です。内容を省くための仕組みではなく、時間の使い方を工夫するための仕組みとされています。 P31

先生の毎日はどう変わりそう?

授業では、単元の初めに「子供がどんな理解にたどり着くか」から計画を立てる形が求められる方向です。評価では、態度のABCのための材料集めが減り、所見で一人一人の伸びを書く形に変わる案です。時間割は、学校の判断で授業時数を調整し、学び直しや研修の時間を作れる案です。ICTは、1人1台端末などが常に使える前提で考えます。どれも告示前の方向性です。

全教科10秒早見表(小学校)

教科等小学校で変わること(10秒)
国語話す・聞く、書く、読むを「話や文章の機能」でつなぐ。手書きの書写を引き続き重視
話す・書く・読むを「話や文章の機能」でつなぐ教科へ
社会4年「県内の特色ある地域」は3地域→2地域に精選。情報の正しさを確かめる技能を加える
覚える社会から、問いと確かな情報で探究する社会へ
算数割合・比・分数の内容と順序を見直し。証明につながる「論理的に説明する活動」を充実
小中高を6つの分野でつなぎ、証明と批判的思考を育てる
理科分野をまたぐ課題を学ぶ「理科と日常生活」を新設。内容を物理・化学・生物・地学の4分野で整理
小中高を4分野でつなぎ、デマに流されない科学の目を育てる
生活目標を「身体性を伴う体験と多様な表現活動」に。動物は借りて飼うのも学校飼育と同等
体で感じて、表して、気付きを深める教科へ
音楽・図画工作音楽は「歌唱」と「器楽」を「歌唱・器楽」に統合。図工は発想から表すまでを思考・判断・表現に
思いをもつことから表すまでを、一続きの学びに
家庭領域を「家族・家庭と生涯発達」「食生活」など5つに再編。「住まいの主な働き」は高校へ
領域を5つに再編し、中学校では独立した教科に
情報の領域(総合)教科は作らず総合に「情報の領域」を新設。3・4年は最大30、5・6年は最大35コマ程度
小は総合に「情報の領域」、中は新教科、高は情報科を充実
体育1〜4年は「遊び」の要素を取り入れ、運動名でなく身に付けたい「動き」を軸に示す
身に付けたい「動き」と、運動の多様な楽しみ方を軸に
外国語活動・外国語外国語活動と外国語科の形は維持。読む・書くの段階を細かく示し、語順の違いに気付かせる
AI時代も人と伝え合う力を、段階を追って育てる英語へ
特別の教科 道徳1つの教材を翌週などにまたいで複数時間で扱う。「深める教材」は高学年8・中学年4が目安
1つの教材を複数時間で扱い、じっくり考え議論する道徳へ
総合的な学習の時間名称が「総合的な探究の時間」に。「探究の領域」と新しい「情報の領域」の2領域で構成
小中も「総合的な探究の時間」へ。一人一人の探究を深める方向
特別活動クラブ活動は学年(主に4年以上)の縛りや実施時期を柔軟に。児童会は学校運営に意見を
子供が学級・学校をよりよく創る「社会創造」の活動へ

いつから?(改訂スケジュール)

小学校の全面実施は2030年度(令和12年度)からの見込みです。その前の2028年度(令和10年度)から、調整授業時数制度や総合の「情報の領域」を先に始められるようにする方向です。どれも告示前の予定で、変わることがあります。
年度202620272028202920302031203220332034
幼稚園等審議・答申周知全面実施
小学校審議・答申・告示周知先行実施先行実施全面実施
小学校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始
中学校審議・答申・告示周知先行実施先行実施先行実施全面実施
中学校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始
高等学校審議・答申告示(年度末)周知先行実施先行実施先行実施入学生から2年生まで全学年
高校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始(学年ごと)

文部科学省「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」(令和8年10月5日 第136回教育課程部会 参考資料7。「今後変更の可能性がありうる」と注記)より。

よくある質問

「情報の領域」が入ると、ほかの教科の時間は減りますか?

1年間の授業時間の合計は増やさない前提です。そのため、情報の時間は3年生以上の各教科から少しずつ減らして生み出す考え方です。減らす割合は一律3〜4%程度とされ、35コマ以下の教科からは減らしません。具体の時数は、これから示されます。 P78P79

プログラミングが苦手でも教えられますか?

国が、授業でそのまま使える授業動画を含む教材を作る方向です。少なくとも1年に1度は新しくするとされています。小学校の先生向けの研修コンテンツは、2027年度末(令和9年度末)までに国が作って提供するとされています。 P75P261

調整授業時数制度は、いつから使えますか?

全面実施(2030年度)を待たず、2028年度(令和10年度)からの先行実施期間に使えるようにする方向です。それまでに、先に試す「サキドリ研究校」を増やして事例を集めます。使う学校は、活用の様子を学校のウェブサイトで公表することが求められる方向です。 P38P40

通知表の作業は軽くなりますか?

評定をまとめるのは学年末だけでもよい、と明確にする方向です。その場合、学期中は途中で声をかけて伸ばす評価(形成的評価)を中心にします。学校が作ってきた「内容のまとまりごとの評価規準」も、不要にする方向です。単元の目標を、そのまま評価規準として使う考え方です。 P69P70

「◯」は全部の教科で付けないといけませんか?

単元ごとに◯を付けることは求めない方向です。国が教科ごとに「見取る姿」を示し、できるだけ長い期間で見ていきます。全部の教科で◯を取ること自体が目的になる使い方は想定していないとされています。小学校には2028年度末までに周知する方針です。 P65P66

不登校の子への対応は変わりますか?

教育支援センター等に通う不登校の子のために、特別な教育課程を組める仕組みを新しく作る方向です。下の学年の内容で学び直しても、在籍学年の基準で評価され「1」などが付きやすい、という課題を改めるねらいです。2028年度からの先行実施期間に取り組めるようにする方向です。 P38P54

全教科の先生の準備チェックリスト

  • 単元づくりの出発点が「教科書のどこまで進むか」から「どんな資質・能力をつけたいか(統合的な理解・総合的な発揮)」に変わる。今から、単元を通した本質的な問いや論述・レポートなどの課題を考える練習ができる。国は教科等ごとの単元構想の参考イメージを示す。 P13P22P28
  • 「統合的な理解・総合的な発揮」だけを取り出して評価規準を作る必要はない。ただし「A:十分満足」の判断などで踏まえるので、評価と無関係ではない。 P15P68
  • 学年は「◯学年相当」の示し方になり、「上の学年の内容は扱ってはいけない」「習っていない漢字は使ってはいけない」といった運用は見直しの方向。相当学年外で扱う際の留意点は総則に書かれる。 P18
  • 令和10年度からの先行実施期間に調整授業時数制度を使えるようにする方向。研究・研修等枠を使えば週1コマ程度、教育課程の時間を使って組織的な研究・研修ができる。活用する学校はウェブでの公表や教育課程編成届への記載が求められる。 P34P36P38P40
  • 改訂を待たずに、標準を大きく上回る予備時数の見直しや、40週を前提にした週28コマへの平準化が国から促されている。年度途中に時数を見直すことも想定されている。 P56P57
  • 「主体的に学習に取り組む態度」のABC評価のために、ノート提出回数などの材料を集める作業はなくなる方向。学びに向かう力は総合所見での個人内評価と、思・判・表への「◯」の付記に変わる。単元ごとの◯付けは求められない。 P62P63P65
  • 各学校で「内容のまとまりごとの評価規準」を作る作業は不要になる方向で、単元の目標をそのまま評価規準にできる。評定へのまとめは学年末だけでもよいことが明確にされ、学期中は形成的評価(途中でのフィードバック)に力を注げる。 P69P70
  • 思考・判断・表現の評価は、ペーパーテストや業者の単元テストに偏らず、論述・レポート・口頭試問・プレゼン・作品制作などを核にする方向。AIに頼った成果物への対策として、口頭試問やブラウザ閲覧を制限するソフトの活用例も示されている。 P26P63P64
  • 総合的な探究の時間に「情報の領域」が加わる方向で、令和10年度から段階的な先行実施が想定されている。国が授業でそのまま使える授業動画を含む教材を開発し、研修も充実させる。国語の小3タイピングは情報へ移す方向。 P60P74P75P79
  • 学習の自己調整や学習方略の指導が重視され、一律の宿題から、子供が家庭学習の内容を自分で決められるよう段階的に指導する方向が示された。国が具体的な指導資料を出して支える。 P10P28
  • 特別活動では、校則を含む学校生活の課題を話し合い、納得解・暫定解をつくる活動や、児童会・生徒会の提案・意見表明、学校行事の企画・運営を子供が担うことが位置付けられる。キャリア・パスポートは例示資料が廃止され、学校による引継ぎは求められない。 P10P11P61
  • 総合では、テーマ探究とマイ探究をバランスよく組み合わせ、研究系・行動系に加え創作系の探究も認められる。小中の名称は「総合的な探究の時間」に。外部に協力を求めるときの留意事項も国が示す。 P11P77
  • カリキュラム・マネジメントは単元配列表づくりが目的ではなく、「ねらいの明確化→編成・実施・調整→評価・改善」の3ステップ。形骸化した取組を見直すことも重視され、そのための協議時間に裁量的な時間を使うこともできる。 P83P84P85
  • 道徳は一つの教材を複数コマで扱う教科書構成や、チームで行う道徳授業の推進が打ち出されている。読み物教材の数は精選され「深める教材」が展開される。 P11P61
  • 教育支援センター等に通う不登校の子について、特別の教育課程を組める制度が新設され、令和10年度からの先行実施期間から取り組めるようにする方向。在籍学年の基準で「1」や「ー」がつきやすい現状の改善がねらい。 P38P54P64
  • 教科書は精選され、教科書「を」全部教える前提が見直される。調整授業時数で時数を減らしても内容をおおむね扱える分量を目指し、指導書でも問いや評価課題、学習過程の構造が示される方向。 P22P58P89

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