次期学習指導要領 校種別ガイド中学校
中学校版
審議まとめ(2026年10月5日)を中学校の先生向けに

中学校の先生のための次期学習指導要領ガイド

「情報・技術科」が生まれ、時間割と評価の工夫の幅が広がる方向です。

たとえると

たとえるなら、一つの部屋を二人で使っていた兄弟が、それぞれ自分の部屋を持つようなものです。技術・家庭科が「家庭科」と「情報・技術科」に分かれ、それぞれの学びを深めやすくします。名前や中身は告示前の案です。

中学校はいつから?

全面実施2031年度(令和13年度)から(見込み)
移行期間2028〜2030年度
告示2026年度末の予定
教科書2031年度から新しい教科書(2029年度に検定)
無料原田英語.com 次期学習指導要領ナビ

研修・会議・授業・保護者会での印刷・コピー・配布・投影はご自由にどうぞ。ご連絡は不要です。クレジットは残してください。審議まとめ(2026年10月5日)準拠・出典ページつき。告示前の方向性で、今後変わることがあります。2026年11月4日 版

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中学校の大きな変化

「情報・技術科」と家庭科の独立

いまの技術・家庭科は、免許も担当も別なのに、評定は一つの教科として書いています。この不便さも踏まえ、家庭科を独立した教科にする方向です。技術分野は時間をしっかり確保して「情報・技術科」にする案です。時間は1・2年が各学年最大70コマ程度、3年が最大35コマ程度とされています(今の技術分野の内容を含む時数)。 P72P74P78

いままで技術分野の一部「情報の技術」で情報を扱い、評定は1つの教科です。
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これから(方向)家庭科を独立させ、技術分野を「情報・技術科」とする方向です。

授業時数を学校で調整できる

教科の内容はすべて扱う前提で、標準の授業時数より少なく計画できる仕組みの案です(調整授業時数制度)。生まれた時間は、ほかの教科への上乗せ、学校独自の教科、学び直しや先生の研修の時間に回せます。減らせる幅は教科ごとに最大15%程度が想定されています。すべての教科を上限まで減らした場合、2年生の試算で1年間に最大128コマ程度です。国への申請はいらない方向です。 P31P32P37P38

いままで年度の初めに、各教科の標準授業時数を必ず確保して時間割を組んでいます。
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これから(方向)標準を下回って計画し、生まれた時間を学校の判断で使える方向です。

テストだけに頼らない評価

中学校では、成績が入試に使われることもあり、ペーパーテストだけで評価する意識が強いとされました。次期は、論述・レポート・口頭試問・発表・作品づくりなども大切にする方向です。「学びに向かう力」は教科ごとのABCをやめ、所見欄で一人一人の伸びを書く案です。良い姿が続けて見られたら、思考・判断・表現の評価に「◯」を添えます。 P62P63P64

いままで「主体的に学習に取り組む態度」を教科ごとにABCで評価しています。
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これから(方向)所見での個人内評価と、思考・判断・表現への「◯」を組み合わせる方向です。

教科書と内容をしぼる

いまの教科書は情報を網羅しすぎていて、「全部教えなければ」という意識につながると指摘されました。次期は、単元の核になる理解をつかみやすい形に教科書をしぼる(精選する)方向です。時数を最大15%程度減らしても、内容をおおむね扱える分量を目指します。英語では、中学校の文法事項を使う頻度の高いものなどにしぼって示す案です。 P55P58P61

いままで厚い教科書を全部教えようとして、授業時間を多めに取りがちです。
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これから(方向)教科書をしぼり、教科書以外の教材と役割を分ける方向です。

数学・理科に「ガイダンス」

調査では、数学や理科は社会や仕事とのつながりを感じにくいことが課題とされました。そこで、中学校と高校に「数学ガイダンス」「科学ガイダンス」という学習内容を新しく設ける方向です。数学の全体像や社会との関係、科学とは何かなどを学びます。学ぶ意味を実感しやすくし、「好き」や「得意」につなげるねらいです。 P10P171P187

いままで数学や理科を学ぶ意味や、社会とのつながりを実感しにくい面があります。
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これから(方向)学ぶ意義を伝える「数学ガイダンス」「科学ガイダンス」を設ける方向です。

高校入試の見直し

高校入試の在り方は、中学校の教え方に大きく影響します。審議まとめは、個別の知識の暗記を単純に問う出題を改め、主な概念の深い理解や思考力を問う出題を充実させる方向を示しました。出題方針の公表や作問の解説、採点などでのAIを含むデジタル技術の活用も挙げられています。 P55P86

いままで個別の知識を単純に問う出題も残り、教科書を網羅して教える意識につながっています。
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これから(方向)深い理解や思考力を問う出題を増やし、多様な選び方を広げる方向です。

週の時間割にゆとり

いまの「年間35週以上」という書き方から、週29コマにする習慣が根強いとされました。次期は「年間40週を標準」とする書き方に改める方向です。40週で計画すれば、週28コマにしやすくなります。さらに調整授業時数制度を使えば、週27コマの授業と研究・研修1コマ、という週の形も無理なくできるようにする方向です。 P36P39P55P57

いままで年間35週以上で計画し、週29コマにする学校が多い状態です。
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これから(方向)年間40週を標準とし、週28コマや研修1コマ付きの週の形を広げる方向です。

総合の名前と探究の形

中学校の「総合的な学習の時間」は、高校と同じ「総合的な探究の時間」に名前をそろえる方向です。学級などで共通テーマに取り組む「テーマ探究」と、生徒が自分の「好き」から問いを立てる「マイ探究」をバランスよく組み合わせます。ネットやAIの要約を切り貼りするだけの「調べ学習」から抜け出すことも課題とされています。 P11P76P77

いままで名前は「総合的な学習の時間」で、調べ学習で終わる例もあります。
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これから(方向)「総合的な探究の時間」になり、テーマ探究とマイ探究を組み合わせる方向です。

変わらないこと

3つの力の柱で育てる

知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等という3つの柱で力を育てる考え方は続きます。次期は、その示し方を、力のつながりが見えるように整理し直す方向です。 P7P13P16

主体的・対話的で深い学び

「主体的・対話的で深い学び」を目指す授業改善は、これからも中心です。次期は、とくに「深い学び」の姿を先生がつかみやすくし、どの学校でも実際に行えるようにすることを目指しています。 P7

1年間の授業時間の合計

1年間の授業時間の合計(標準総授業時数)は、いまより増やさない前提です。「情報・技術科」に必要な時間は、3年生以上の教科のうち、いま35コマ以下のものを除いた教科から、同じ割合で少しずつ(3〜4%程度)減らして生み出す考え方です。 P78P79

教える内容は全部扱う

調整授業時数制度で時間を減らす場合も、学習指導要領に示す内容はすべて扱うことが前提です。内容を省くための仕組みではなく、時間の使い方を工夫するための仕組みとされています。 P31

先生の毎日はどう変わりそう?

授業では、単元を通してどんな理解や力にたどり着くかから計画を立てる形が求められる方向です。評価では、ペーパーテストだけでなく論述や発表なども使い、態度のABCは所見と「◯」に変わる案です。時間割は、授業時数の調整や週28コマ化で、学び直しや研修の時間を作れる案です。ICTは、1人1台端末などが常に使える前提で考えます。どれも告示前の方向性です。

全教科10秒早見表(中学校)

教科等中学校で変わること(10秒)
国語3領域を「話や文章の機能」でつなぐ。知識は「運用しながら」「教養として」深める2面に
話す・書く・読むを「話や文章の機能」でつなぐ教科へ
社会3分野をつなぐ分野横断の単元A・Bを設け、Cをまとめ単元に位置付け直す。地域調査は単元Bで
覚える社会から、問いと確かな情報で探究する社会へ
数学数学の全体像や社会とのつながりを学ぶ「数学ガイダンス(仮称)」を新設する案。証明も充実
小中高を6つの分野でつなぎ、証明と批判的思考を育てる
理科「科学とは何か」や研究倫理を学ぶ「科学ガイダンス(仮称)」を新設する案
小中高を4分野でつなぎ、デマに流されない科学の目を育てる
音楽・美術美術は発想から工夫して表すまでを「思考・判断・表現」に。鑑賞にも「技能」を示す
思いをもつことから表すまでを、一続きの学びに
家庭技術・家庭科から「家庭科」が独立した教科に。金銭管理と消費者の権利を新B領域で統合
領域を5つに再編し、中学校では独立した教科に
情報・技術科(仮称)技術分野を新教科「情報・技術科(仮称)」に。1・2年は最大70、3年は最大35コマ程度
小は総合に「情報の領域」、中は新教科、高は情報科を充実
保健体育「体育理論」を「スポーツ理論」に改称。公正・協力などは「運動との関わり方」として学ぶ
身に付けたい「動き」と、運動の多様な楽しみ方を軸に
外国語(英語)文法事項は使用頻度の高いものに絞る。「社会的な話題」は「身近な社会的な話題」に
AI時代も人と伝え合う力を、段階を追って育てる英語へ
特別の教科 道徳複数時間での扱いと「深める教材」(13程度が目安)。教師が交代で学級を回る授業も可
1つの教材を複数時間で扱い、じっくり考え議論する道徳へ
総合的な学習の時間名称が「総合的な探究の時間」に。修学旅行・職場体験は探究として成り立つ部分だけ代替可
小中も「総合的な探究の時間」へ。一人一人の探究を深める方向
特別活動生徒会(小は児童会)が校則など学校運営に意見を出す活動に。評価は個人内評価へ
子供が学級・学校をよりよく創る「社会創造」の活動へ

いつから?(改訂スケジュール)

中学校の全面実施は2031年度(令和13年度)からの見込みです。調整授業時数制度は2028年度(令和10年度)から使えるようにする方向です。「情報・技術科」は2029年度(令和11年度)から段階的に先に始める方向です。どれも告示前の予定で、変わることがあります。
年度202620272028202920302031203220332034
幼稚園等審議・答申周知全面実施
小学校審議・答申・告示周知先行実施先行実施全面実施
小学校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始
中学校審議・答申・告示周知先行実施先行実施先行実施全面実施
中学校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始
高等学校審議・答申告示(年度末)周知先行実施先行実施先行実施入学生から2年生まで全学年
高校の教科書著作・編集検定採択・供給使用開始(学年ごと)

文部科学省「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」(令和8年10月5日 第136回教育課程部会 参考資料7。「今後変更の可能性がありうる」と注記)より。

よくある質問

技術の免許を持つ先生が足りないのでは?

審議まとめでも、技術科の免許を持つ先生の不足は課題とされています。そのため、全国規模の免許法認定講習や、すべての担当の先生への研修を行う方向です。中学校向けの研修コンテンツは、2028年度末(令和10年度末)までに国が作って提供するとされています。 P72P75P261

「◯」が付くと、評定は上がるのですか?

「◯」は思考・判断・表現の評価と一緒に考えられ、評定に影響し得るとされています。たとえば知識・技能がA、思考・判断・表現がBなら、評定は4か5が想定されます。そこに◯があれば、5と判断されることもあり得ます。ただし、自動的に上がるわけではありません。 P66P67

高校入試はどう変わりますか?

個別の知識を単純に問う出題を改め、深い理解や思考力を問う出題を充実させる方向です。また、学力検査を行わない選抜や、調査書を使わない選抜も必要に応じてできると分かるよう、規定の在り方を検討するとされています。 P86

週28コマにしないといけないのですか?

義務ではありません。ただ、「年間35週以上」という書き方が週29コマの習慣を生んでいるとして、年間40週を標準とする書き方に改める方向です。40週で計画すれば、週28コマにしやすくなります。研究・研修1コマを含む週の形も例として示されています。 P36P39P55

生徒会の役割は変わりますか?

校則など学校生活の課題について、生徒が提案や意見表明をし、先生との話し合いを通して学校運営に関わることが重視される方向です。対話を通して、納得できる答えや暫定的な答えを生み出す経験を大切にするとされています。 P10P11

不登校の生徒の評定はどうなりますか?

教育支援センター等に通う不登校の生徒のため、特別な教育課程を組める仕組みを新しく作る方向です。今は在籍学年の基準で評価するため「1」や「ー」になりやすい課題があります。態度の評価の見直しも、評定を付けにくい今の状況の改善につながると期待されています。 P54P64

全教科の先生の準備チェックリスト

  • 単元づくりの出発点が「教科書のどこまで進むか」から「どんな資質・能力をつけたいか(統合的な理解・総合的な発揮)」に変わる。今から、単元を通した本質的な問いや論述・レポートなどの課題を考える練習ができる。国は教科等ごとの単元構想の参考イメージを示す。 P13P22P28
  • 「統合的な理解・総合的な発揮」だけを取り出して評価規準を作る必要はない。ただし「A:十分満足」の判断などで踏まえるので、評価と無関係ではない。 P15P68
  • 学年は「◯学年相当」の示し方になり、「上の学年の内容は扱ってはいけない」「習っていない漢字は使ってはいけない」といった運用は見直しの方向。相当学年外で扱う際の留意点は総則に書かれる。 P18
  • 令和10年度からの先行実施期間に調整授業時数制度を使えるようにする方向。研究・研修等枠を使えば週1コマ程度、教育課程の時間を使って組織的な研究・研修ができる。活用する学校はウェブでの公表や教育課程編成届への記載が求められる。 P34P36P38P40
  • 改訂を待たずに、標準を大きく上回る予備時数の見直しや、40週を前提にした週28コマへの平準化が国から促されている。年度途中に時数を見直すことも想定されている。 P56P57
  • 「主体的に学習に取り組む態度」のABC評価のために、ノート提出回数などの材料を集める作業はなくなる方向。学びに向かう力は総合所見での個人内評価と、思・判・表への「◯」の付記に変わる。単元ごとの◯付けは求められない。 P62P63P65
  • 各学校で「内容のまとまりごとの評価規準」を作る作業は不要になる方向で、単元の目標をそのまま評価規準にできる。評定へのまとめは学年末だけでもよいことが明確にされ、学期中は形成的評価(途中でのフィードバック)に力を注げる。 P69P70
  • 思考・判断・表現の評価は、ペーパーテストや業者の単元テストに偏らず、論述・レポート・口頭試問・プレゼン・作品制作などを核にする方向。AIに頼った成果物への対策として、口頭試問やブラウザ閲覧を制限するソフトの活用例も示されている。 P26P63P64
  • 技術・家庭科が分かれ、家庭科は独立教科、技術分野は「情報・技術科」になる方向(審議まとめの提案)。令和11年度から段階的な先行実施が想定され、技術科の免許所有状況の改善(全国規模の免許法認定講習)や全担当教員への研修が予定されている。 P74P75P79
  • 学習の自己調整や学習方略の指導が重視され、一律の宿題から、子供が家庭学習の内容を自分で決められるよう段階的に指導する方向が示された。国が具体的な指導資料を出して支える。 P10P28
  • 特別活動では、校則を含む学校生活の課題を話し合い、納得解・暫定解をつくる活動や、児童会・生徒会の提案・意見表明、学校行事の企画・運営を子供が担うことが位置付けられる。キャリア・パスポートは例示資料が廃止され、学校による引継ぎは求められない。 P10P11P61
  • 総合では、テーマ探究とマイ探究をバランスよく組み合わせ、研究系・行動系に加え創作系の探究も認められる。小中の名称は「総合的な探究の時間」に。外部に協力を求めるときの留意事項も国が示す。 P11P77
  • カリキュラム・マネジメントは単元配列表づくりが目的ではなく、「ねらいの明確化→編成・実施・調整→評価・改善」の3ステップ。形骸化した取組を見直すことも重視され、そのための協議時間に裁量的な時間を使うこともできる。 P83P84P85
  • 道徳は一つの教材を複数コマで扱う教科書構成や、チームで行う道徳授業の推進が打ち出されている。読み物教材の数は精選され「深める教材」が展開される。 P11P61
  • 高校入試で、個別の知識の暗記ではなく概念の本質的理解や思考力を問う出題を充実させる方向。教科書を網羅的に教えなければという意識の背景の一つとされた入試の在り方が見直される。 P55P86
  • 教育支援センター等に通う不登校の子について、特別の教育課程を組める制度が新設され、令和10年度からの先行実施期間から取り組めるようにする方向。在籍学年の基準で「1」や「ー」がつきやすい現状の改善がねらい。 P38P54P64
  • 教科書は精選され、教科書「を」全部教える前提が見直される。調整授業時数で時数を減らしても内容をおおむね扱える分量を目指し、指導書でも問いや評価課題、学習過程の構造が示される方向。 P22P58P89

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