医療・健康・生命科学
ワクチン・延命・ゲノム。いのちの論点を英語で

健康寿命・食事と運動・感染症への備え・医療の新技術。理系学部だけでなく全学部で出やすい話題です。
医療の進歩により、多くの感染症が予防・治療できるようになり、平均寿命は大きく延びました。ワクチンは、病原体に対する免疫を前もってつけて、感染や重症化を防ぐしくみです。多くの人が免疫をもつと、免疫のない人も守られやすくなる集団免疫という考え方もあります。抗生物質は細菌による病気の治療に大きな役割を果たしましたが、使いすぎると薬が効かない耐性菌が増えるため、適切な使用が求められています。また、日本のような先進国では高齢化が進み、がんや糖尿病、心臓の病気などの慢性疾患が課題です。そのため、病気になってから治すだけでなく、検診や生活習慣の改善で病気を防ぐ予防医療の重要性が語られます。生命科学の分野では、遺伝情報であるゲノムの解読が進み、遺伝子を書きかえる技術や、iPS細胞などの再生医療の研究が注目されています。同時に、それらをどこまで使ってよいかという倫理の議論や、医療費の負担、医療を受けられる機会の公平さも、大きな論点です。さらに、新しい感染症への備えや、医療現場の人手不足なども、社会全体で考える課題です。
医療と健康は、年齢や国籍に関係なく、誰にとっても大切な話題です。新型コロナウイルスの世界的な流行を経て、社会全体の関心も高まりました。入試では、ワクチン、睡眠、食事、高齢化、遺伝子の技術など、幅広い切り口で取り上げられます。科学的な事実に加えて、「どこまで治療してよいか」「誰の同意が必要か」といった倫理の問いが含まれやすいのも特徴です。医療系志望でなくても因果関係や証拠を読みとる練習になり、リスニングでは講義形式の素材によく使われます。基本の医療語彙を押さえておけば安心です。
長文読解:感染症の予防、睡眠や運動と健康、高齢化社会と医療、遺伝子技術の可能性と倫理などが出やすいです。「研究でわかったこと」と「まだ不明な点」を読み分ける練習になります。
リスニング:医師や研究者による健康の講義、病院での会話、新しい治療法の紹介などが出やすいです。症状や治療、原因と結果を表す語彙と、数字や割合を聞き取る力が役立ちます。話し手の主張と、その根拠を分けて聞く意識も大切です。
自由英作文・小論文:「延命治療をどう考えるか」「ワクチン接種は義務にすべきか」「臓器提供の制度」など、倫理や社会制度に関する意見型の設問が想定されます。立場と理由を明確にする型が有効です。
| # | 英語 | 意味 | # | 英語 | 意味 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | diagnosis | 13 | antibiotic | ||
| 2 | symptom | 14 | resistance | ||
| 3 | treatment | 15 | genome | ||
| 4 | vaccine | 16 | stem cell | ||
| 5 | immune | 17 | donor | ||
| 6 | infection | 18 | life expectancy | ||
| 7 | epidemic | 19 | consent | ||
| 8 | pandemic | 20 | screening | ||
| 9 | chronic | 21 | mental health | ||
| 10 | prevention | 22 | aging | ||
| 11 | clinical trial | 23 | surgery | ||
| 12 | side effect | 24 | cure |
| # | 日本語 | 英語 | # | 日本語 | 英語 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ワクチン | 13 | 幹細胞 | ||
| 2 | 臨床試験(治験) | 14 | 手術 | ||
| 3 | 平均寿命 | 15 | 感染 | ||
| 4 | 診断 | 16 | 抗生物質 | ||
| 5 | 世界的な大流行 | 17 | 検診、スクリーニング | ||
| 6 | ゲノム(全遺伝情報) | 18 | 治療 | ||
| 7 | 高齢化する、老いていく | 19 | 予防 | ||
| 8 | 免疫のある | 20 | 提供者、ドナー | ||
| 9 | 副作用 | 21 | 治療法、完治 | ||
| 10 | 同意 | 22 | 流行、(地域的な)感染拡大 | ||
| 11 | 症状 | 23 | 耐性、抵抗(力) | ||
| 12 | 慢性の | 24 | 心の健康、メンタルヘルス |

必要なら形を変えよう(複数形・過去形など)。下の和訳がヒント。
英作文・スピーキングでそのまま使える表現です。このテーマについて、表現を使った英文を書こう。
・研究でわかったこと、まだわからないこと。ある習慣が健康によいと述べたうえで、「しかし因果関係はまだ不明」と限界を示す慎重な展開がよく見られます。
・個人の自由 対 社会の利益。ワクチンや健康規制の話題で、個人の権利と公衆衛生を対比させ、バランスをどう取るかを問う論法です。
・治療から予防へ。病気になってから治す医療の限界を述べ、検診や生活習慣による予防、教育の大切さへと話を広げる流れが定番です。
・技術の可能性と倫理の壁。新しい医療技術の利点を紹介したのち、「できること」と「してよいこと」は違うと指摘して、社会的な議論の必要性で結びます。
| 論点 | 賛成側の理由 | 反対側の理由 |
|---|---|---|
| ワクチン接種を義務にするか | ||
| 延命治療をどこまで行うか | ||
| 遺伝子を改変する技術 |
3・4 単語24
- diagnosis 診断
- symptom 症状
- treatment 治療
- vaccine ワクチン
- immune 免疫のある
- infection 感染
- epidemic 流行、(地域的な)感染拡大
- pandemic 世界的な大流行
- chronic 慢性の
- prevention 予防
- clinical trial 臨床試験(治験)
- side effect 副作用
- antibiotic 抗生物質
- resistance 耐性、抵抗(力)
- genome ゲノム(全遺伝情報)
- stem cell 幹細胞
- donor 提供者、ドナー
- life expectancy 平均寿命
- consent 同意
- screening 検診、スクリーニング
- mental health 心の健康、メンタルヘルス
- aging 高齢化する、老いていく
- surgery 手術
- cure 治療法、完治
5 穴埋め
- surgery
- epidemic
- resistance
- Stem cells
- diagnosis
- mental health
- donor
- screening
- cure
- clinical trials
- treatment
- side effect
6 和訳
- 発熱はインフルエンザによくある症状です。
- そのパンデミックは、人々の学び方や働き方を変えました。
- 手洗いは感染を防ぐ助けになります。
- 定期的な運動は病気の予防にとって重要です。
8 論点の例
ワクチン接種を義務にするか
賛成:接種率が上がれば流行を抑えやすくなり、持病などで接種できない人も守れます。社会全体の利益のため、義務化も検討すべきだという主張です。
反対:個人が自分の体について決める権利を侵害します。副反応への不安も根強く、強制より丁寧な説明と選択の自由が大切だという主張です。
延命治療をどこまで行うか
賛成:命がある限り、できる手はすべて尽くすべきです。回復の可能性を最後まで閉ざさないことが医療の使命であり、家族の納得にもつながるという主張です。
反対:本人の意思や生活の質を無視した治療は、かえって苦痛を長引かせます。元気なうちに意思を確かめておき、自然な最期を選ぶ権利も尊重すべきだという主張です。
遺伝子を改変する技術
賛成:重い遺伝性の病気を予防・治療できる可能性があり、難病に苦しむ人にとって大きな希望になります。厳しい管理のもとで研究を進めるべきだという主張です。
反対:改変が次の世代にまで受け継がれ、想定外の危険も残ります。親が望む特徴を選んで子どもをつくる「デザイナーベビー」につながるという主張です。
臓器提供の制度
賛成:拒否の意思を示していない人は提供に同意したとみなす制度にすれば、移植を受けられる人が増えます。臓器を待ちながら亡くなる患者を減らせるという主張です。
反対:遺体や臓器の扱いは、個人や家族の価値観にかかわる問題です。意思の確認を前提とし、自発的な提供を尊重すべきだという主張です。
高齢化と医療費の負担
賛成:誰もが必要な医療を受けられる社会を保つため、世代を超えて負担を分け合うべきです。予防への投資は、将来の医療費も抑えるという主張です。
反対:保険料や税を支える現役世代の負担が重すぎます。高齢者にも所得に応じた自己負担を求め、限られた財源の使い道を見直すべきだという主張です。
動物実験の是非
賛成:新薬や治療法の安全性を確かめるには、現状では欠かせない手段です。人で試す前に危険を見つけ、多くの命を守る役割があるという主張です。
反対:動物にも苦痛を感じる力があり、その命も尊重すべきです。数を減らし、培養細胞やコンピューターによる代替法への切りかえを急ぐべきだという主張です。
9 英作文の採点基準(10点)
- 内容(立場が明確・問いに答えている)3点
- 理由2つが具体的で、立場を支えている 3点
- 構成(P→R→R→P、つなぎ言葉)2点
- 英語の正確さ・語数(80〜100語)2点
先生・自習のヒント
医療や健康の動画は、研究や体験を紹介する構成が多めです。観る前に「何が新しい発見か」を1分予想し、日本語字幕では「発見」と「その証拠」を分けてつかみましょう。英語字幕では Studies show ... のような根拠を示す表現を3つメモ。結論を述べる30秒をまねたら、cure や prevention を使って英語で1〜3文にまとめます。健康上の判断は、医師など専門家の意見も参考にしてください。
関連トーク(TED HACKS で観られます)
- 次の感染爆発に、世界は備えているか(TED・8:37)
- 史上最長級の研究が教える、幸せの条件(TED・12:47)
- ヘンリエッタ・ラックスの不死の細胞(TED-Ed・4:27)
- 石けんvs消毒液、ウイルスに強いのはどっち?(TED-Ed・6:15)
予想長文
- Why Prevention Is Neglected(298語)
- Who Should Decide?(434語)