教育・学習・子ども
宿題・オンライン授業・格差。体験で書けるテーマ

オンライン学習・AIと宿題・学び方の科学。受験生自身に身近なので、意見を書かせる設問と相性が良いテーマ。
教育を語るうえで、まず知っておきたいのが「何のために学ぶのか」という問いです。知識を身につけることに加え、自分で考え、他者と協力し、社会で生きる力を育てることが、現代の教育の目標として挙げられます。日本を含む多くの国では、一定の年齢まで学校に通う義務教育の制度があります。一方で、家庭の経済状況や住む地域によって教育の機会や学力に差が生じる「教育格差」は、多くの国に共通する課題です。近年は、パソコンやタブレットを使ったICT教育やオンライン授業も広まりましたが、機器や通信環境の差、対面の交流が減る点への懸念も指摘されています。学習法の面では、暗記中心の受け身の学びから、生徒が主体的に考える探究的な学びへの移行が重視されています。また、覚えたことを思い出す練習(テスト効果)や、間隔をあけて復習する方法が、記憶の定着に有効だとする研究もあります。幼い子どもについては、遊びを通した学びの価値も広く認められています。入試の英文では、こうした対立する見方のうち、筆者がどちらを支持しているのかを読み取る問題が出やすくなります。
高校生にとって、教育は自分ごととして考えやすい題材です。出題者から見ても、受験生の実感に基づいた意見を書かせやすい分野といえます。学校の役割、宿題の意味、テクノロジーの活用、教育の機会の差など、賛否が分かれる論点が多く、論説文や意見論述の材料にしやすいことも理由です。教育に関する文章は、抽象的な内容でも語彙が比較的やさしく、長文読解の入門にも向いています。英語で自分の学び方を語れるようにしておくと、面接や英作文でも役立ちます。
長文読解:学校教育の役割、学ぶ意味、子どもの成長などを論じる文章が定番です。筆者が現状の何を問題視し、どんな改善を提案しているのか、主張の流れを追う設問が中心です。
リスニング:教師や学生の会話、教育に関する講義、留学や履修の相談など、学校生活の場面が多いです。日程や条件の変更、話し手が何を頼み、何を提案しているのかを聞き取る力が試されやすいです。
自由英作文・小論文:「宿題は必要か」「オンライン授業は対面より良いか」など、賛否を問うお題が考えられます。先に賛成か反対かを決め、理由を二つ挙げて具体例で補う型が使いやすい分野です。
| # | 英語 | 意味 | # | 英語 | 意味 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | curriculum | 13 | achievement | ||
| 2 | literacy | 14 | autonomy | ||
| 3 | enroll | 15 | vocational | ||
| 4 | assess | 16 | gifted | ||
| 5 | feedback | 17 | tuition | ||
| 6 | mentor | 18 | dropout | ||
| 7 | discipline | 19 | compulsory | ||
| 8 | curiosity | 20 | nurture | ||
| 9 | comprehension | 21 | mastery | ||
| 10 | peer | 22 | inequality | ||
| 11 | cram | 23 | engage | ||
| 12 | tutor | 24 | foster |
| # | 日本語 | 英語 | # | 日本語 | 英語 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 評価する、査定する | 13 | (生まれつき)才能に恵まれた | ||
| 2 | 詰め込み勉強をする | 14 | 引き込む、参加させる | ||
| 3 | 中途退学者 | 15 | 指導者、良き助言者 | ||
| 4 | カリキュラム、教育課程 | 16 | 達成、学力の成果 | ||
| 5 | 好奇心 | 17 | 育てる、養う | ||
| 6 | 職業(訓練)の | 18 | 入学する、登録する | ||
| 7 | 不平等、格差 | 19 | 同世代の仲間 | ||
| 8 | フィードバック、助言 | 20 | 授業料、指導 | ||
| 9 | 家庭教師、個別指導の先生 | 21 | 育む、促進する | ||
| 10 | 義務の、必修の | 22 | 規律、自制心 | ||
| 11 | 読み書き能力、リテラシー | 23 | 自主性、自律 | ||
| 12 | 理解(力) | 24 | 習得、熟達 |

必要なら形を変えよう(複数形・過去形など)。下の和訳がヒント。
英作文・スピーキングでそのまま使える表現です。このテーマについて、表現を使った英文を書こう。
・従来の教育観への疑問:「知識を詰め込むことが教育だ」という従来の見方に疑問を示し、考える力を育てる学びこそが重要だ、と論を進める型です。
・対比構造:暗記型と探究型、対面とオンラインのように二つを比べ、利点と欠点を整理したうえで、筆者の立場を最後に打ち出します。
・具体例の提示:抽象的な主張の後に、一人の生徒や特定の学校の例を挙げて説得力を持たせます。for instance の後ろが要点の裏づけです。
・問題→原因→提案:格差や学習意欲の低下といった問題を示し、背景にある原因を分析して、教師や社会が取るべき対策で結ぶ展開です。
| 論点 | 賛成側の理由 | 反対側の理由 |
|---|---|---|
| 宿題は必要か | ||
| オンライン授業の価値 | ||
| テストと成績評価 |
3・4 単語24
- curriculum カリキュラム、教育課程
- literacy 読み書き能力、リテラシー
- enroll 入学する、登録する
- assess 評価する、査定する
- feedback フィードバック、助言
- mentor 指導者、良き助言者
- discipline 規律、自制心
- curiosity 好奇心
- comprehension 理解(力)
- peer 同世代の仲間
- cram 詰め込み勉強をする
- tutor 家庭教師、個別指導の先生
- achievement 達成、学力の成果
- autonomy 自主性、自律
- vocational 職業(訓練)の
- gifted (生まれつき)才能に恵まれた
- tuition 授業料、指導
- dropout 中途退学者
- compulsory 義務の、必修の
- nurture 育てる、養う
- mastery 習得、熟達
- inequality 不平等、格差
- engage 引き込む、参加させる
- foster 育む、促進する
5 穴埋め
- comprehension
- peers
- assess
- Literacy
- compulsory
- dropouts
- feedback
- autonomy
- engage
- tutor
- inequality
- nurture
6 和訳
- その学校は、プログラミングを取り入れるようカリキュラムを変えました。
- 職業学校では、実際に役立つ仕事の技能を教えます。
- 技能の習得は、長く丁寧な練習から生まれます。
- グループ課題は、生徒どうしのチームワークを育みます。
8 論点の例
宿題は必要か
賛成:授業で学んだことを自分で復習し、定着させる機会になります。家で学ぶ習慣や自分を管理する力も育ち、進学後にも役立つという主張です。
反対:量が多すぎると睡眠や遊びの時間を奪い、意欲も下がります。家庭環境による差も大きいので、量より質を重視すべきだという主張です。
オンライン授業の価値
賛成:場所や時間に縛られずに学べるので、地方に住む子どもや入院中の子どもにも機会が広がります。自分のペースで何度でも見直せるのも利点だという主張です。
反対:通信環境や機器の差が、そのまま学びの差になります。対面の交流や実習が減り、画面越しでは教師の目も届きにくく、集中を保つのが難しいという主張です。
テストと成績評価
賛成:学習の成果を客観的に示せるので、努力の目標になります。どこまで理解したかを確かめる、公平で分かりやすい方法であり、進路選びの基準にもなるという主張です。
反対:点数を取ること自体が目的になり、暗記に偏ります。意欲や協調性など測りにくい力が評価されず、失敗を恐れて挑戦しなくなる子もいるという主張です。
学校制服・校則
賛成:毎日の服選びの手間や服装の競い合いを減らし、所属意識を育てます。集団生活のルールを学び、落ち着いた学習環境を保ちやすいという主張です。
反対:個性や自己表現を制限し、家庭の経済的な負担になることもあります。校則は生徒自身が話し合って決めるべきだという主張で、人権の観点からも議論が続いています。
早期教育は有益か
賛成:幼いうちの豊かな経験は、その後の学びの土台になります。音楽や発音のように、早く始めたほうが身につきやすい面もあるという主張です。
反対:詰め込みは子どもの意欲を奪うおそれがあります。早すぎる競争よりも、遊びや人との関わりから学ぶ時間こそ大切だという主張です。
教育の格差は防げるか
賛成:奨学金や公的な支援、無料の学習の場などによって、機会の差は縮められます。教育は社会全体への投資であり、その成果は将来の社会に返ってくるという主張です。
反対:家庭の文化的な背景や地域の差は、制度だけでは埋めにくいものです。限られた予算をどう配分し、効果をどう測るかにも課題が残るという主張です。
9 英作文の採点基準(10点)
- 内容(立場が明確・問いに答えている)3点
- 理由2つが具体的で、立場を支えている 3点
- 構成(P→R→R→P、つなぎ言葉)2点
- 英語の正確さ・語数(80〜100語)2点
先生・自習のヒント
教育系の動画は、教師や研究者が自分の経験を語る形が多く、話の構成が追いやすいのが特徴です。観る前の1分で「自分の勉強で困っていること」を一つ書き出し、話し手の答えを予想しておくと、内容が自分ごとになります。字幕は日本語→英語の順に。英語字幕で表現を3つメモし、好きな30秒をまねたら、主張とその理由を英語で1〜3文にまとめましょう。
関連トーク(TED HACKS で観られます)
- 学校は、創造性を殺しているのか?(TED・20:04)
- 2つの言葉を話す脳は、なにがすごい?(TED-Ed・5:04)
- 批判的思考力を高める5つのコツ(TED-Ed・4:30)
- 批判的思考を鍛える、たった1つの道具(TED-Ed・5:20)
予想長文
- Mistakes as Information(293語)
- What Tests Can and Cannot Measure(432語)