AI・テクノロジー・デジタル社会
生成AI・SNS・監視。便利さの裏側を英語で

生成AIは学校・仕事・創作のあらゆる場面に入り込みました。「AIと人間の役割」「情報の真偽」は長文・英作文の両方で最有力。
人工知能(AI)とは、人間が行う判断や認識、言語の処理などをコンピューターにさせる技術の総称です。近年は、大量のデータからパターンを学ぶ機械学習が発展し、文章や画像、音声を新しくつくりだす生成AIが広く使われるようになりました。AIは、翻訳、医療画像の解析、自動運転、カスタマーサービスなど、多くの分野で人の仕事を助けています。一方で、課題も指摘されています。学習に使ったデータに偏りがあれば、判断にも偏見(バイアス)が入りこむことがあります。もっともらしいのに誤った内容を作りだしてしまうこともあり、利用者の側に確かめる姿勢が求められます。また、顔認識や行動履歴の収集による監視やプライバシーの問題、著作物の扱い、雇用への影響も議論の的です。ネットでは、偽の映像や音声であるディープフェイクも問題になっています。各国では、利用のルールを法律や指針で定める動きが進んでいます。「技術そのものは道具であり、問われるのは使い方だ」という視点は、入試の文章にも繰り返し登場します。賛否の両面から考える姿勢を持っておきましょう。
AIやインターネット、スマートフォンは、いまや誰の生活にも入りこんでいます。身近で新しい話題なので、長文・リスニング・英作文のどれにも登場しやすくなっています。しかも「便利になる」だけでは終わらず、仕事が奪われないか、個人情報は守られるのか、誤った情報が広がらないかといった、賛否の分かれる問いがセットで語られます。筆者の主張と対立する意見を読み分ける練習に向いているのはそのためです。技術の進歩は速いので、基本のしくみと用語を押さえておくと、初見の文章にも落ち着いて向き合えます。
長文読解:AIが仕事や教育に与える影響、SNSと人間関係、ネット上の偽情報などが出やすいです。「技術は中立か」「誰が責任を負うか」について、筆者がどの立場をとるかを追う力が問われます。
リスニング:スマホの使い方をめぐる講義や、新しいサービスの紹介、AIの活用例についての会話などが出やすいです。技術用語が出てきても止まらず、文脈から意味を推測する力が役立ちます。話し手が賛成か慎重かも聞き分けましょう。
自由英作文・小論文:「学校での生成AIの利用に賛成か」「SNSの利用に年齢制限を設けるべきか」といった意見型の設問が想定されます。利点と危険の両面に触れたうえで立場を示すと、まとまりやすくなります。
| # | 英語 | 意味 | # | 英語 | 意味 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | algorithm | 13 | addiction | ||
| 2 | artificial intelligence | 14 | accountability | ||
| 3 | machine learning | 15 | transparency | ||
| 4 | bias | 16 | ethical | ||
| 5 | privacy | 17 | innovation | ||
| 6 | surveillance | 18 | disrupt | ||
| 7 | automation | 19 | autonomous | ||
| 8 | generative | 20 | dependence | ||
| 9 | misinformation | 21 | verify | ||
| 10 | deepfake | 22 | manipulate | ||
| 11 | cybersecurity | 23 | copyright | ||
| 12 | digital divide | 24 | regulate |
| # | 日本語 | 英語 | # | 日本語 | 英語 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 偏り、偏見 | 13 | 倫理的な | ||
| 2 | サイバーセキュリティ | 14 | 著作権 | ||
| 3 | 混乱させる、(既存のものを)揺るがす | 15 | 監視 | ||
| 4 | アルゴリズム(計算・処理の手順) | 16 | 依存、中毒 | ||
| 5 | 生成の、新たに作りだす | 17 | 依存 | ||
| 6 | 透明性 | 18 | 機械学習 | ||
| 7 | 操作する、操る | 19 | ディープフェイク(偽の映像・音声) | ||
| 8 | プライバシー | 20 | 革新、新しい発想 | ||
| 9 | 情報格差(デジタルデバイド) | 21 | 規制する | ||
| 10 | 自律的な、自動の | 22 | 自動化 | ||
| 11 | 人工知能 | 23 | 説明責任 | ||
| 12 | 誤情報、偽情報 | 24 | 確かめる、検証する |

必要なら形を変えよう(複数形・過去形など)。下の和訳がヒント。
英作文・スピーキングでそのまま使える表現です。このテーマについて、表現を使った英文を書こう。
・光と影の対比。まず技術の利点を具体例で示し、その後に However などで危険や副作用を述べ、最後に「使い方しだい」と結ぶ流れが定番です。
・技術は道具にすぎない。技術そのものが善か悪かを問うのではなく、人間がどう使うかに責任があると主張する展開が、繰り返し出ます。
・過去との比較。印刷機や電話などの新技術が出たときも、人々は不安を抱いたと述べ、現在の議論を歴史の中に位置づける論法です。
・便利さと引きかえに何を失うか。効率や快適さの代わりに、注意力、人とのつながり、プライバシーなどが失われていないかを問いかける展開です。
| 論点 | 賛成側の理由 | 反対側の理由 |
|---|---|---|
| 学校での生成AIの利用 | ||
| AIが人の仕事を奪うか | ||
| 監視カメラと顔認識 |
3・4 単語24
- algorithm アルゴリズム(計算・処理の手順)
- artificial intelligence 人工知能
- machine learning 機械学習
- bias 偏り、偏見
- privacy プライバシー
- surveillance 監視
- automation 自動化
- generative 生成の、新たに作りだす
- misinformation 誤情報、偽情報
- deepfake ディープフェイク(偽の映像・音声)
- cybersecurity サイバーセキュリティ
- digital divide 情報格差(デジタルデバイド)
- addiction 依存、中毒
- accountability 説明責任
- transparency 透明性
- ethical 倫理的な
- innovation 革新、新しい発想
- disrupt 混乱させる、(既存のものを)揺るがす
- autonomous 自律的な、自動の
- dependence 依存
- verify 確かめる、検証する
- manipulate 操作する、操る
- copyright 著作権
- regulate 規制する
5 穴埋め
- Artificial intelligence
- Automation
- copyright
- Misinformation
- deepfake
- Innovation
- algorithm
- bias
- privacy
- cybersecurity
- regulate
- surveillance
6 和訳
- 自動運転車は、センサーを使って人が運転しなくても走ります。
- 感情を操ろうとする広告もあります。
- 情報格差のせいで、インターネットを使えないままの家庭もあります。
- 学校でAIを使うことには、多くの倫理的な問いがあります。
8 論点の例
学校での生成AIの利用
賛成:調べ物や文章の推敲を助け、学びを深める道具になります。学校で正しい使い方を教えれば、社会に出てから必要な力も育つという主張です。
反対:考える過程を飛ばして答えだけを得る習慣がつき、思考力が育ちにくくなります。宿題の丸写しなどの不正が増え、公平な評価も難しくなるという主張です。
AIが人の仕事を奪うか
賛成:単純作業をAIに任せれば、人はより創造的な仕事に集中できます。人手不足の分野を補い、新しい職業も生まれるという主張です。
反対:事務や運転などの仕事が減り、失業や格差が広がる恐れがあります。学び直しの仕組みが追いつかず、立場の弱い人ほど影響を受けるという主張です。
監視カメラと顔認識
賛成:犯罪の抑止や迷子の捜索、テロ対策に役立ちます。事件の早期発見にもつながるので、安全な社会のためにある程度の利用は必要だという主張です。
反対:常に見られていると、人は自由にふるまえなくなります。誤認識による冤罪やデータの悪用の危険があり、一度集めた情報は消すのも難しいという主張です。
SNSの年齢制限
賛成:依存や誹謗中傷、心の不調から若い世代を守れます。心も体も成長途中の時期だからこそ、利用に一定のルールが必要だという主張です。
反対:若者が情報を得たり、人とつながったりする機会を奪います。年齢の確認が難しく効果も薄いので、家庭や学校での教育のほうが大事だという主張です。
AIの判断への責任
賛成:開発者や企業がリスクを想定し、説明責任を負うべきです。判断のしくみが透明であってこそ、利用者は安心して使えるという主張です。
反対:責任を厳しく問いすぎると開発が萎縮し、技術の恩恵が遅れます。原因の特定が難しいことも多く、使う人の責任も同じくらい重いという主張です。
偽情報への対策
賛成:SNSなどの運営会社が、偽情報の削除や注意の表示を積極的に行うべきです。放置すれば、社会全体の信頼が損なわれるという主張です。
反対:何が偽りかを誰かが決めると、表現の自由が脅かされる恐れがあります。線引きは難しく、利用者が情報を見きわめる力を育てる教育が先だという主張です。
9 英作文の採点基準(10点)
- 内容(立場が明確・問いに答えている)3点
- 理由2つが具体的で、立場を支えている 3点
- 構成(P→R→R→P、つなぎ言葉)2点
- 英語の正確さ・語数(80〜100語)2点
先生・自習のヒント
観る前に「この技術の利点と危険は何か」を1分で予想しておきます。日本語字幕では専門用語で止まらずに最後まで観て、利点と危険を一つずつ見つけましょう。英語字幕では algorithm や privacy などが入った表現を3つメモ。話し手が例を挙げる30秒をまねたら、最後に自分は賛成か慎重かを英語で1〜3文書いてみてください。
関連トーク(TED HACKS で観られます)
- AIを人間の手に負えなくならないように作れるか(TED・14:28)
- AIは教育を壊すのか、救うのか(TED・15:37)
- AIの本当の危険は、あなたの想像とは違う(TED・10:19)
- ネットの「フィルターバブル」に気をつけて(TED・9:05)
予想長文
- Can We Trust the Answers Machines Give?(293語)
- Personalization and the Shrinking Window(431語)